生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

ケースワーカーのやりがい その2

自治体業務をしていると、まず生活保護受給者に対して自治体職員の理解も低い印象があります。悲しいかな、私も配属されるまでは生活保護の制度も受給者のことも理解をしておりませんでした。

 

生活保護受給者=働くなど自力で生活できず、生活保護費を受けて医療も介護もタダで生きている市民。雑な認識ですが、こういう視点で捉えている職員は少なからずいます。そして、「まさか自分がケースワーカーなんて、やるわけないだろ(笑)」という意識で自分の職務に就いていることもあります。

 

実際、何がそんなに不人気なのか。

「汚い仕事」

「人生の堕落者を何故、公務員試験を受けて合格した自分が相手したくない」

「話が理解できない人の相手」

「全て面倒を起こす人間の世話などしたくない」という考えでしょうか。色々認識が混ざっています。

 

汚い仕事というのは、生活保護受給者≒ホームレスという認識の人が多いためです。よく、路上生活をしている人が生活保護を受けていると考えている職員もいますが、それは大きな間違えです。これまでの説明の通り、生活保護受給者は居宅生活を前提にしているため、路上生活者・ホームレスは生活保護を受けていない可能性が非常に高いです。

 

路上生活者・ホームレス生活が限界になって生活保護を申請しに来る、こういった方はいますが、まぁ、多少、路上生活が長いためかお風呂に入っていない、何十日も同じ服を着ている、服は洗ったことがないという方もいらっしゃいます。時折、そういった方が申請しに来所されると、少々福祉事務所内が騒然とします(主に臭いで)。

 

しかし、そういう方も2か月、3か月と頑張って生活保護を受けていくと、アパート転居を達成される方もいます。なので、その入り口でネガティブな印象を受けても、「案外普通の人だったんだな・・・」と思うこともあります。

 

また、居宅生活をしていてもあまりお風呂に入らない、不潔な状態の方も少数いらっしゃいます。これは、そもそもお風呂に入る習慣がない、という方もいるのですが、これは毎回の定期訪問などで清潔にするよう促すことはあります。体が汚れていると、思わぬところから感染症になったり、そもそも重篤な傷病を見落としてしまう場合もあります。

 

清潔にしていないと、当然外にも出歩く機会がないので、通院などの機会も失っている可能性があります。意外と清潔にすることは社会生活を営むにあたって基本的な習慣であります。

 

確かにお風呂に入っていない方との対応は結構大変なところはあります。家庭訪問をした時も、ちょっと辛いことありました。しかし、人間、慣れてしまうとあまり気にならなくなってしまいます。汚れてもいい服で出勤したりするので、むしろスーツなどではない作業着で訪問したりするので気持ちは楽です。

 

臭いが付いてしまったりすることもあります、これはちょっと辛いのでそんな時は午後お休みして帰っちゃったりします。そういうメリハリをするのもケースワーカーでは大事なのかもしれません。

 

結論から言えば、よほどの汚いところじゃなきゃ慣れる!!でしょうか。受給者に直接触れることもまぁ少ないので、自分が汚れるというより精神衛生的な面で辛いところはありますが。

 

私は元ホームレスの新規生活保護受給者を横浜のドヤ街にまで、電車に乗せて移動したことあります。その時は周りの目は結構厳しかったのですが、まぁ、これも経験だと割り切りました。もしそんな方々を見たら、あぁ大変だなという気持ちを少し持ってもらえるとありがたいです。