生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

2025-01-01から1年間の記事一覧

徳島市の食料支給を考える

徳島市は2023年5月から2025年12月にかけて、生活保護費の支給日前に生活費が底を突いた受給者ら計59人に対し、賞味期限の切れた災害備蓄食品を配布していました。 • 配布物: アルファ米、缶入りのパン、飲料水など計約1,100点 • 期限切れの期間: 最長で1年2…

生活保護と審査請求 その1

生活保護は、困窮者を支える日本のセーフティネットです。保護決定や一時扶助決定は、申請者の収入や資産をチェックし、最低生活費以下なら支援が決定されます。 当たり前ですが、保護受給をしていても支給が認められないこともあります。特に一時扶助につい…

就労自立の困難さ その7

就労後に収入が保護最低基準(最低生活費)を上回った場合の対応とその後の状況について、今回は掘り下げてみましょう。 生活保護受給者が就職し、収入が保護最低基準を上回ると、通常、保護は3ヶ月程度で停止されます。この期間は、収入の安定性を確認する…

就労自立の困難さ その6

生活保護制度は、経済的な困窮から抜け出すための支援を提供しますが、就労による自立で保護を完全に廃止するケースは多くありません。 私的な経験ですが、ケースワーカー時代に自分の担当受給者が就労自立による保護廃止をしたのは、数件です。5-6年、ケー…

就労自立の困難さ その5

前回に続き、生活保護からの自立について解説します。 生活保護受給から、いきなり正規職員として就職し、生活保護を廃止するのは困難です。これまで経験したことがありません。 何故なんだろう?なんで、すぐに就職決めて廃止できないものか、考えたことは…

就労自立の困難さ その4

前回に続き、生活保護制度と就労自立について。 今回は、ケースワーカーによる就労指導と、受給開始時のフォローの重要性に焦点を当てます。 よく査察指導官から、稼動年齢層については積極的な就労指導を求められます。しかし、具体的に何をしろというのは…

就労自立の困難さ その3

前回の記事では、生活保護受給者が就労自立を目指す中で、職業選択の自由と求人市場の現実のギャップが大きな壁となることを紹介しました。 今回は、早期就労自立を目指す受給者の焦りと、それを支えるケースワーカーや就労支援員の役割、そして視野を広げる…

就労自立の困難さ その2

前回の記事では、生活保護制度と就労による自立廃止の難しさ、稀な成功事例を紹介しました。 今回は、就労自立の大きな壁である「職業選択の自由」について、これもまた難しい話です。 生活保護受給者が自立を目指す上で、仕事選びは重要な課題です。多くの…

就労自立の困難さ

就労による自立、生保廃止、生活保護からの自立廃止は、受給者が安定した収入を得られるようになり、最低生活費を上回る生活を維持できる状態になることを指します。 しかし、厚生労働省のデータによると、就労を理由とした自立廃止は年間でわずか1件程度(…

生活保護費減額と最高裁判決

昨日、生活保護の支給額を2013年から段階的に引き下げたことについて、最高裁判所は「厚生労働大臣の判断に誤りがあり、違法だった」として処分を取り消す判決が出ました。 これまでも生活保護費の支給額について、議論や疑問が出ているところですが、今後ど…

生活保護ケースワーカーからの異動

3月になり地方公務員については異動の内示の季節となります。そわそわ毎日、基準改定作業をしながら気になっている方も多いと思います。 さて、毎年人事異動を経験している中で、生活保護ケースワーカーの経験者は次の職場に行った時にどの程度戦略となるか…

福祉事務所への解決の要望 その2

これは特に無茶要望というより、びっくりした話(生保あるかあるかも)ですが。 ある受給者が亡くなって、警察署へ遺体が安置されることがあります。もしくは病院で亡くなった場合もあると思いますが、生保受給者は亡くなってしまえば死亡廃止となるところ、…

福祉事務所への解決の要望

自分で過去の記事を読んでいたら随分前に書いた困難ケースの事例の話で、受給者のした事をなんでも福祉事務所に解決を求めるマインドの人が内外にいる、と書いていました。 https://yoko2020.hatenablog.com/entry/2023/09/19/120826 改めて振り返ってみる、…

ケース記録の書き方を改めて その2

ケース記録をいつか書くか、というのも人それぞれです。自分の場合はできる限りその日中に、その日に会った人や電話を受けた人などを書くようにはしていました。これは、人間は結構忘れやすく、また生保業務は明日何が起きるか分からないため、出来ることは…

ケース記録の書き方を改めて

ずっと課題だったのはケース記録の書き方で、福祉系の高校、大学を出ている方は授業などで学んでいることもありますが、事務系でケースワーカーに配属されると本当に困ります。 何を書けばいいのか最初わからず、またそれを指摘してくれる人も少なかったりし…

次年度担当の移管について

この時期になると気になるのが、今既に他所の福祉事務所の管轄地域へ転居している受給者を、いつ移管するかです。たまたま1月末に転居が決まり、それが2月末、3月に入ってから引っ越しとかになると、援助方針や基準改定を誰がやるのか、という問題が生じ…

援助方針の作成

12月から1月、2月ごろまで全部の担当受給者の援助方針を作成している時期かと思います。 毎年この作業を行なっている中、査察指導員としていつも係員にお伝えしていることがいくつかあります。 まず、援助方針は1年間の自身が行ってきたケースワークの集…