生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

就労自立の困難さ その7

就労後に収入が保護最低基準(最低生活費)を上回った場合の対応とその後の状況について、今回は掘り下げてみましょう。

 

生活保護受給者が就職し、収入が保護最低基準を上回ると、通常、保護は3ヶ月程度で停止されます。この期間は、収入の安定性を確認するための「観察期間」とされています。

 

停止期間中は基本的に保護費が出ません。一時扶助含め、保護費の適用はありません。健康保険も国保ないし、その企業の保険に加入するので、医療扶助もありません。そのため、収入申告もありません。

 

そのまま何もなければある一定の時期に廃止です。これが大体3ヶ月としています。中には受給者の希望で廃止してほしいと言う人もいますので、その場合は停止期間が短くなります。

 

ただ、中には、3ヶ月目で退職してしまう人も少なくありません。

 

その理由は主に2つ。1つ目は体調不良です。長期間の困窮生活や健康問題を抱える受給者にとって、働き続けることは簡単ではありません。

 

2つ目は職場への不適合。業務内容や人間関係、職場の環境に適応できず、早期離職に至るケースも多いのです。こっちの方が多い印象です。

 

退職後、多くの人は再び就職活動に取り組みますが、ここでもハードルは高いままです。体調やスキル、自信の欠如から、なかなか次に進まない。

 

停止、再開、停止、再開と繰り返すことは結構あります。しかも、この停止中に体調を崩して、給与を使い切ってしまい、後追いで保護費を支給することもあります(何ヶ月かして、そういやそろそろ3ヶ月過ぎてるじゃん!!となり、電話してみると、既に退職していて、給与も出ないとか、たまにあります)。

 

停止してしまうと結構、見逃してしまうこともあります。

 

こうした状況を打破するため、福祉事務所では就労支援プログラムが提供されています。例えば、職業訓練メンタルヘルス支援、就労準備支援事業などがそれにあたります。

 

ただ、これらをやってもなお、そのまま継続していくか否かは、正直やってみないと分からないところがあります。

 

生活保護からの自立は、単に「仕事に就く」こと以上の意味を持ちます。健康管理、職場への適応、経済的な安定、これらが揃って初めて持続可能な自立が可能です。

 

こんなことを考えていると、単に仕事をしてお金をもらうと言うこと、生活保護を受けずに生活することがとても難しく感じる時があります。