生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

生活保護と不正受給 その9

未申告収入で多いのは、やはり数ヶ月のアルバイトでしょうか。派遣とか、期間バイトとか。正社員での仕事というのはほとんどありません、そんなことしていたら先に保護廃止の方が早いですわ

 

年齢の幅は様々です。また、前に働いていない人がいきなりやる人もいます。しかも、その期間に無収入申告を出しておきながら、仕事をしていたりするので虚偽申告をしている人もいます。

 

前にも書きましたが、就労収入には必要経費を差し引いて、更に基礎控除という生活保護制度独自の控除額が認められています。概ね最大で稼ぎの40%程度でしょうか、結構細かく数字が分かれています。このおかげで稼げば稼ぐほど、全く何もしない受給者より生活にゆとりが出ます。

 

不正受給の場合、この基礎控除額は認められませんので必要経費を除いた全額が返還対象になります。骨折り損のくたびれもうけになります。

 

また、収入申告をしなくていいという誤解ですが。この基礎控除が一つ誤解の原因になることもあります。基礎控除が概ね15,000円を下回る収入の場合、保護費の減額調整が行われない場合があります。就労収入額が基礎控除額を下回っていれば、収入認定額がゼロとなります。

 

たまにCWが相手に就労指導等するとき、15,000円までなら保護費は満額出ますという人もいます。やや説明が少ない気がします。そのため、保護費に影響しない→申告いらないと捉える人も、まぁ、いるにはいます。

 

けど、それでも収入申告しないのは義務違反です。働いている、働いていたならその事実は言うべきです。

 

ちなみに、課税調査より前に、そういえば働いていた、収入はあったなどと申告することは収入申告の遅滞であるため、すぐに78条の返還請求とはならず、恐らく保護の遡及変更、場合によっては63条に基づく保護返還決定になると思います。この場合は基礎控除が認められますので、保護費の返還も78条に比べて少なくなります。

 

また、ダブルワークをしている受給者でその片方しか申告しない輩もいます。全部しないといけません。