生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

世間一般でいわれる生保あるある

緊急事態宣言も終わり、企業の在宅勤務なども下火になりつつあります。我々の勤務形態も通常モードに戻っており、日々新規申請を受けたりの時期です。

 

さて、よく言われる生保受給者あるあるについて書いてみたいと思います。

 

〇生保受給者はパチンコ等ギャンブルで保護費を使ってしまう。けしからん。

 

 よく、色々なネット記事で生保に関する話を見ると、コメント欄に決まって「生保受給者は昼間からパチンコ等している。ギャンブル中毒だ。取り締まるべきだ。」という話が出ます。では実際、本当にそれほどギャンブルをするのでしょうか。

 

 私がCW時代に感じたことですが、いわゆる世間が思っているほどギャンブルをする人は多くないかなという印象です。まず、本当に最低限度の生活費なのでギャンブルをすればするほど生活ができなくなるからです。はっきり言って、勝てるものでもないパチンコなのでやって自分の首を絞めることはしなくなっていきます。

 

 福祉事務所では毎月の保護費は定められた額で渡すため、追加支給するものなどありません。生活費を使い込んでしまった、助けてほしいという話も聞きますが、自分で何とかしてくださいと突っぱねるのが普通です。

 

 確かに競馬、競輪、競艇、パチンコなどに行く人はいます。絶対に行ってはいけないということでもないので、それは自分の生活習慣の一つとしています。特段咎めることはしません。

 

 では、こういったギャンブル関係、生保受給者は取り締まるべきか。非常に難しいというか、個人の主観だと思います。確かに生活保護は国民の税金から出ています。誰かが収めた税金が、生活保護費として支給されています。その点を考えると、国民感情としてはあまり面白い制度ではありません。

 

 しかし、じゃあ何をしたらいけないのか、何をしていいのかという線引きは誰にもできないと思います。娯楽っていうものをどう理解するか、その点じゃないでしょうか。実際、若いときはやっていたけど今はやっていないという受給者が多いです。「昔も今も勝てないね、ただ面白いからちょっとだけ馬券買ったりするけど、場外馬券場に行くのも大変」という方もいます。

 

 今回のコロナウィルス騒動でも、開店前からずらっとパチンコ店に並ぶ姿が報道されていましたが、私的に、あそこに受給者は殆どいないんじゃないかな?何せ受給者は基礎疾患を持っている方も多いため、感染するとかなり死亡リスクを伴うからです。話を聞くと、じっと家にいる、最低限の外出しかしないという高齢受給者が多い印象です。そのためか、生保受給者でコロナウィルスに掛かったという人、あまり見たことありません。少なくとも担当地区にはいない様子です。

 

 ただ私的に、タバコとお酒は止めてほしいとは思います。特にタバコ、ストレス抑制のために吸っているという受給者はいますが、尋常じゃない本数を吸って病気が進行する人もいます。本当に寿命を縮めるだけなので控えてほしいなと思うことはあります。

 

 生保受給者に寛容になってほしいというわけではありません。ただ、実際結構考えながら生活している人も多いのは事実です。