生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

ケースワーカーのやりがい その6

ケースワーカーと他の市役所業務では、かなりその内容が違います。特に違いを感じるところで、市役所業務では何か決定手続きをしようとする時、数多くの根回しという名の事前調整が必要なことがあります。

 

例えば、業務の一つでどこかの企業と打ち合わせをする時、こちらと相手側の担当者でいつ、何時に、どこに、何人で、相手の役職は何で、誰が一番偉くて、打ち合わせ時間はいつで、どこの部屋でやって、こちらの職員は何名出して、名刺交換は誰からやって、誰から話を切り出して、、、、、、

 

なんていう、まどろっこしいことを何日もかけて検討することがあります。

ケースワーカーの場合、基本的に担当者がその受給者に関して業務を行うのでまどろっこしさはあまりありません。病院カンファレンスだって、福祉事務所のケースワーカーが一人来れば、あとはどんな人間が参加しようと、あまり自分たちに関係はありません。もう少し言えば、誰が偉いとか、そういう世界の話が出ないのがケースワーカーの楽なところです。

 

誰しもが受給者に対しての支援を考えるので、ケースワーカーに任される決定権が大きいのは特徴です。勿論、そこに生活保護費が絡まないようであればきちんと福祉事務所内で検討したりします。

 

ただ、例えば今後受給者の生活環境向上のために介護サービスを入れましょうとか、転居が可能かもしれません、施設入所が必要かもしれませんという意見を出すのは、ケースワーカーがやって構いません。これが通常の市役所業務であれば、まず係長にお伺いして、課長に聞いて、なんなら部長に聞いて、のような縦割りの話がすぐ出てきます。

 

対受給者という、ミニマムな世界ではありますが、何かを決めていくということに関してはケースワーカーほど自由な職場はありません。その分自分の経験、知識、周りからの助言があってこそですが、自分でいろいろ考えて決めていきたいという方には向いている職場だと思います。