生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

ケースワーカーと心の病 その1

また不定期ですが、なぜケースワーカーが心を病んでしまって休職をしてしまうのか、査察の目線から考えてみました。長くなりますが、おおよそ的を得ているとは思うので、業務の参考にしてください。

 

今も昔も仕事をしていれば何かしらのトラブル、ストレス、合う合わないなどに直面をします。これはどーーーんなに優秀な方であっても、またどーーーんなに経験を積んだとしても生じます。

 

勿論、入社してすぐの新人さんであれば、その時に起こしやすいミスはあります。書類を忘れただとか、確認を間違えただとか、瑣末なところからちょっと組織的にリカバーしなきゃいけないところまで様々です。みんなそうやって仕事を覚え、進めていきます。

 

そしてこれは公務員であっても同じです。どんなに成績が良かろうと、どんなにコミュニケーションが取れる人でも、学歴が良くたって、ミスしたりできなかったりはします。逆に、間違ってないと思って動くほうが迷惑だったりします。なので、間違えたら立ち止まる、誰かに聞く、調べる、時間を置く、報告するなど当たり前のことを当たり前にやれるほうが100倍助かります。

 

さて、この20年ぐらいでしょうか?市民から公務員への要求は日々高まりを見せています。その昔は役所仕事なんて言われていましたが、今の時代は役所仕事気分で何かをしていたら一瞬にして取り残されます。ありとあらゆるもののスピードが速くなり、情報の回り方含めて目まぐるしく動いていきます。ちょっと油断すると、知っている情報なんてすぐに古くなってしまいます。

 

また、市民からの視線も厳しくなっています。一億総フライデー、と言われるくらい、いつどこで何をしているかを厳しく見てくる人たちはいます。なので、適当なことをしているとすぐにツイッターやらのSNSに書き込みされ、拡散され、気づけば大炎上なんてこともあります。

 

勿論普通にやっていればそんなことは起きません。普通じゃないことをやってしまうと時折起きます。だからと言って全ての行動を萎縮しながらやるのか、というのも間違っていると思います。チャレンジしていく場面はたくさんありますので、そこの塩梅がとっても難しいのです。

 

だから、組織が日々強くしなやかになっていかないと、この世の中は良くなりません。

 

そんなとってもしんどい世界で、公務員、ケースワーカーとして働く人達はもしかしたら、他の職種につく同僚より圧倒的に厳しい現場にいると思います。普通、あまり仕事に優劣をつけてはいけないのですが、対人援助という確実に人がいる仕事なので、公務員の仕事でもかなり異質なものです。

 

例えば先生、保育士さんなどは同じように人を対象に仕事をしますが、専門職というところで掛かるプレッシャーはまた違います。

 

近いのが、児童相談所の職員かな?とは思います。福祉作業所や機能訓練施設で働く公務員ともまた違うかなぁと。

 

そんなところで、次から少しケースワーカーの心の病について触れていきます。

保護申請時の気持ち その2

さて、晴れて相談係から「今度、あなたのところに新規(保護申請)来るから」と言われ、多少なりともドギマギするものです。

 

この時、地区担当としては今自分が抱えている仕事と、これから来る新規保護申請者のための時間と、両方の仕事量を考えます。その大体は「この忙しいときにか!!」という気持ちになります。

 

まぁ、いつ来ても同じ気持ちになります。よほど自分に余裕、たまたま事件事故が起きていないときは大体この一言です。

 

その後、相談係から色々メモ紙を渡されます。このメモには、相談係と相談者(新規保護申請者)とのやり取りが記載されています。細かいメモですと、これまで何をしてきたか、どういう人なのか、今預貯金はいくらあるかなどなど書かれいています。これだと、それなりに心の準備ができます。預貯金が〇〇万円と書かれていれば、とりあえず今週は保護申請に来ないな、と、その預貯金や最後の給与の支払い日がきになるところです。

 

困るが、今日もう保護申請をした、と言われるときです。こうなると、この日から14日以内に何かしらの決定を出さないといけないので、待ったなしです。3回に1回くらい、こういう当日相談・そのまま申請というものを受けます。

 

別に悪いことはないのです、ただ、前もって分かっていればもう少しこの新規保護申請者のために時間を割けるのに、準備ができるのに、ということはあります。

なので、当日いきなり来て、保護申請となると、地区担当員としての優先順位は少し下がります。いきなり新規申請者に力を100%使えないからです。

 

ここを勘違いされることがあります。「申請の数日後にやっと居宅訪問に来た」「話を聞いてもらえた」などとクレームを言われることがありますが、本当、地区担当員としては1週間くらい全てスケジュールを埋めてしまっている人や、遠い地方への訪問を入れてしまっている人もいます。体は1つしかないので、その予定をすべてずらして新規保護申請者のために使う、ということが本当に難しいことがあります。

 

まぁ、こうならないようにある程度スケジュールに余裕を持って行動するよう普段から注意しますが、なかなかそうもいかないのがこの世界です。それはもう、仕方ないことなのです。

 

とっても忙しいときに新規保護申請者が来ると、その瞬間だけ代わりの地区担当員が対応することはあります。私も、過去に先輩が新規申請を4つ同時に受けていて、更にもう1人追加で新規申請を受けてしまい、その2つを代わりに対応したことはあります。それも、たまたま私に余力があったからなので、運が良かっただけです。

 

冷たい福祉事務所、係だと、「担当地区に来たのは全て、その受け持つ地区担当員が対応する」という鉄の掟みたいなのがあります。そんな掟、破ってとっとと対応しろよと思うのですが、やらないところはあります。だから職員が潰れていくんじゃないかなぁと思ったりもします。

 

話を戻します。

 

なので、なるべく予告してきてくれるととってもありがたい。3日後に来るから、となればとりあえずその時の顔つなぎ、その翌日・翌々日ぐらいの居宅訪問のスケジュール位なんとかできます。これはもう、こちらの都合なので、その間新規申請者は今の手持ちのお金で頑張ってもらうしかありません。

 

面倒だなーという気持ちより、どうやってスケジュールをやりくりしよう、この気持ちの方がこの時は強いです。いや、保護開始のための様々な作業も面倒なのですが、何よりまず、この新規保護申請者のことを限られた時間で把握する必要があるので、何としても時間を作りたい、その焦りは出てきます。

保護申請時の気持ち

新型コロナウイルス感染拡大により、雇用情勢はかなり悪くなっていた時期がありました。また、一時は持ち直したけどその後収入が安定せず、やはり最低生活費を下回る生活を余儀なくされている方もいらっしゃいます。

 

その中で生活保護の申請(相談)が昨今、また注目されています。不思議なもので、なかなか保護申請でのネガティヴな場面しかピックアップしてくれないマスメディアも多いため、それ自体が保護申請を躊躇させる要因にもつながっているように思えます。

 

確かに人生、福祉事務所、行政に何か頼るということはあまり起こり得ません。しかし、何かひょんなことで福祉事務所へ来所される、それが生活保護の相談であっても構わないと思います。なかなか勇気のあることなので、この場所に足を踏み入れるのか本当に大変な気持ちを持ってしたんだと思います。

 

いや、確かに現場としては、また自分の地区に参加保護申請が来たわぁ、忙しいのにまた来たのか、とあまり喜ばしいことではありません。ここは正直な感想です。なので、これから数回は保護申請から実際の保護開始、それ以降の率直な気持ちを書いていきます。現場のケースワーカーの方々、少し参考にしてみてください。大体皆さん、気持ちは一緒です。

 

ただ、生活保護の申請は権利です。それ自体全く否定はしません。しかし、受け付ける福祉事務所も少なからず気持ちのブレはあります。それは人だから仕方のないことなのです。

 

まず、相談係(福祉事務所に生活保護の申請やその相談を受け付ける係)の職員が、直接市民の方やその身内の方から話を聞きます。この時点で相談係の職員は、相談に来た市民の方から色々な話を伺います。

 

今どういう状況か。

これまでどんな生活をしてきたか。

今、何が大変か。

頼れる身内の方、親戚はいないのか。

何か忘れている財産はないか。

 

などなど。これらは全て、保護の決定やその後の支援に大きな影響を与えます。ここが、マスコミの言う「水際作戦」と捉えられてしまうと、我々福祉事務所では、その後の支援策を練ることができません。

 

まぁ、確かにもしかしたら相談しにきた市民の方にとっては、こんなに困窮しているのに何を時間伸ばししているのか、早くお金をくれ、と思ってしまうかもしれません。(これまで、そんなことを言われた相談者は、、、、、、、残念ながら少数います。その時はケースワーカーとして、査察として、きちんと話を聞かせてほしい、とこちらの希望も伝えました。この辺り、やはりコミュニケーションの仕事だなぁとしみじみ思います)

 

生活保護は申請をしたらお金をもらえるものでありません。今活用できる資産が本当にないのか、本当に福祉事務所からの支援がないとやれないのか、そこを細かく確認していきます。でないと、税金を投じる訳ですから、なかなか厳しい時間になるのですが、そこのせめぎ合いはどうしてもあります。

 

大変なんです、相手はお金がなくて今日過ごすご飯もないかもしれない、ただ一方で(いくばくかの支援金は出す可能性はありますが)、市税を本当に出すべき状況なのか、そこをきちんと確認する必要があるのです。

 

長くなるので続きます。

移管を断る福祉事務所の対応 その3

これまで移管で困ったことをあげていきます。

 

自分が移管する時

・相手方自治体から転居前にも関わらず、執拗に様々な情報提供を求められた。

→これまでの記録やその他様々な情報全て出せと言われた時は流石にやりすぎでは??

 

確かにどんな人間が移管されてくるか、不安があったりするのは分かるのですが、まだ転居前の人間の情報をたくさん渡してしまうことには抵抗がありました。まぁ、受給者本人にも、次の自治体に情報提供してもいい?と断りは入れますが、あまりいい気分はしません。

 

・ありとあらゆる調査が終わってるか、執拗に確認してくる。

→これも結構タイミングで難しいところがあります。毎年の収入申告や、資産申告、扶養調査、銀行口座の洗い出し等全てをやらないと受け付けないと言います。大変なのが、就労収入ありつつ転居となった方の場合。とにかく、毎月の給与申告のタイミングを見計らって移管しないと、相手方から、また次月にしてくださいなど、平気で言ってきます。収入申告はその月や次の月の保護費に大きく影響してくるので、認定のタイミングでは移管できないままズルズルと元の自治体で保護を受け続けたりします。

 

・とにかく、移管を認めない。もし、旧自治体で勝手に保護廃止にしたら東京都に指導に入ってもらう。

→これはかなりカチンと来ました。どの権限で言ってんだよ??となりました。

 

勿論受給者には全て話し、当日保護を廃止するから、その足で次の自治体の福祉事務所に一緒に行きましょうと伝えました。当日に突然、次の福祉事務所に訪問したので相手方はとっても嫌な顔していましたが、既にその日でこちらの自治体では保護廃止しているので、受給期間が被ることはありません。

追い返されそうになり、また当時の自分の上司にも連絡させられ、それでも申請権があることを主張し、そのまま申請書を置いて帰りました。

 

これは東京都にもあらかじめ根回しをしておきました。都も何も言えません。こちらは既に転居済みの受給者なので、もう市民ではないのですから。転居廃止の要件が揃ってしまっているのです。

 

まぁ、本当こう言うことが起きないように移管という手続きを取るべきなのに、どうしても嫌がる自治体はいます。今思い出しても頭にきました。○○区。

 

何が困るって当の受給者の保護期間に切れ目が出来てしまうことと、市民でない方に対して市税を拠出している福祉事務所の費用負担です。こちらは既にやることをやって、保護費も出すべきものは出しています。やはり後は現住所保護の原則に立って、転居先の自治体が実施期間になるべきなのです。

 

なのにも関わらず、○○区は、不正な申請だとか言いました。この人、裁判したら負けるだろ!?ってなりましたが、まぁそんな相談係の人もいます。

 

・逆に本当に何もしないで移管してくる自治体。認定漏れ、課税調査など一切やらないでぶん投げてくる自治体。

→適当すぎるケースワーカー自治体もあります。課税調査を全くせず、不正受給しているにもかかわらず移管してくる(勿論断りましたが)。児童手当や年金を全く認定せず、満額保護費を出していて、返還金の処理をすべきなのにしないで移管するなど。

 

勿論、最低限のマナーというところです。せめて手当くらいはきちんと認定してよ、年金調査、受給権の確認しておいてよ、となります。

 

そのほかにもいろいろありましたが、キリがないのでここまで。とにかく、違う自治体へ転居してくれると自分のケース数は1件減るのですが、そのための手間暇はとてもかかります。事前準備、相手方への適切な根回し、受給者へのフォロー等、結構大変なのでやはり根気よくやっていく必要があります。

 

慣れないうちは先輩や査察にきちんと確認しながら進めていきましょう。

 

生活保護とペット その2

このペット問題はいつでも福祉事務所を悩ませます。査察指導官の立場からは、ケースワーカーに対してはなるべく早くペットを手放すよう指導していくこと、万が一の処遇は保証できないことを念押ししておくことを伝えています。

 

どうしてもペットを手放さないと言うなら、それで健康被害などを起こさないように重々気をつける様指導していくことになります。この辺りは結構ケースワーカーごとでムラが出るところです。厳しい人は保健所の連絡先などを教えたりすることも。。。分からなくはないのですが、それをやると受給者との関係は悪くなります。

 

ケースワーカーとしてもしんどいところです。なにせ相手はそのペットを家族と思って生活しているからです。それを手放せ、なんて言うことは確かに酷なことです。これは生活保護を受けている、受けていない関係なくです。

 

前にずっと飼っていた猫が亡くなってしまい、後を追うように亡くなった受給者がいました。その猫が生き甲斐であった、それは分かります。なので、やはり一緒に長くいればいるほど、困窮しても手放すことは難しくなります。

 

ただ、アパート転居の際にペットNGの物件に、大家に黙って連れていく受給者もいます。これは本当によろしくない。最後は自己責任ではあるのですが、暗に福祉事務所もその存在を見ている以上、よくないことである旨は伝えるのですが、当の本人は、バレなきゃいいと言うスタンスであることもしばしば。

 

バレてしまって再転居となれば、福祉事務所としては転居費用の支出を検討しないといけません。通常は福祉事務所の指導に従わず、自分の蒔いた種で転居なのだから、転居費用を出さないと言う対応もあり得ますが、、、まぁ、出しますね、この程度なら。

 

あと困ったのは、公営住宅が当選した時にペットがいると転居ができないことでしょうか。福祉事務所としては積極的に住宅扶助の下がる転居は進めたいのですが、ペットを持ち込めば流石に公営住宅ではすぐに分かってしまいます。なので、当選しても断るケースがあります。

 

最後まで責任を持って面倒見れるか、見れないならどうするか、日々受給者に問いかけながらケースワークをしていく必要はあります。お願いだから勝手に亡くなったり、入院しないでくれ、ここですね。

 

生活保護とペット

何かのネット記事で、生活保護受給者はペットを飼ってはいけない、手放さなければいけない、と言うのは嘘という記事を見ました。

 

さて、現場の話をしますと、半分合っていて半分間違っています。受給前から飼っていて、それをそのまま飼い続けている方は少なからずいます。

 

ただ、やはり生活保護費からあらゆる費用を捻出しようとすると、一人分の保護費でペットを飼う余裕はあまりありません。ペットの餌代、トイレなどの身の回りのもの、病気になった時、予防接種などなど。ペットにきちんとした生き方をさせるならば、それだけお金がかかります。

 

時折、この何年も狂犬病の予防接種を打ってないわんちゃんを飼っている受給者がいます。最後に打ったのは2012年ぐらい、と言う方がいました。流石にこの時は、そーっとわんちゃんに噛まれないように距離を置きました。

 

よく、ペットは家族と一緒、離れることなんてできない、と言う方もいますが、だからこそペットにきちんとお金をかけてあげるべきだとは思います。掛けられないなら、やはり手離して違う飼い主さんにお世話になる方が、そのペットにとって幸せなんじゃないかとは思います。

 

さて、ケースワーカーをやっていて、ペットを飼っている世帯を持つと恐れる例を。

 

1 その世帯が入院などをした時

まず、預け先がありませんのでどうにかして自力で育ててくれる方を探してもらいます。当然福祉事務所では面倒は見れません。たまに、薄情だなどと言われることがありますが、こればかりはどうしようもできません。自己責任です。

大変なのが緊急入院の時。福祉事務所に大家さんから連絡が来て、犬を連れて帰れなど言われたりします。突っぱねますが、かなり酷いことを言われたりします。

 

2 その世帯が転居などで新しい家を探す時

これも困ります。今のアパートが建壊しになるから引っ越しが必要になる時、ペットがNGのアパートは非常に多いです。これは、住宅扶助で入れるアパートだと仕方ないのかもしれません。本当に稀です。ほとんど見かけたことはありません。そうすると、やはりペットがネックになって転居先が見つからないと言うことがあります。これも福祉事務所ではどうしようもないことです。

同じように施設入所になった時も大変です。基本、高齢者施設ではペットを飼うことはできません。たまに、ペットと一緒に生活できる施設、などと触れ込みをしている施設もありますが、これも稀です。高額な有料老人ホームならありますが、通常の料金、生活保護の範囲で入れる施設では、これも見たことありません。

 

まぁ、確実にトラブルになります。好きな人もいれば嫌いな人もいます。

 

もう一つ辛いのが、認知症が進行して自分の生活すらままならなくなった人のペット。排泄物に塗れたまま、餌も与えられず鳴いている、なんてことはザラにあります。周りの住人が心配になってきてたみたいですが、当の本人を施設に入れるのに精一杯なので、我々福祉事務所では何もできません。

 

たまたまその親族が引き取ってくれましたが、それでもかなり恨言は言われました。

 

3 その世帯が亡くなった時

1番困り、福祉事務所で何もできないパターンです。一度だけこれは対面しました。家で亡くなってしまい、そのペットがずっと鳴いているのを近所の方から通報があり、大家さんが家の中を見ると、ペットがご遺体の近くにずっといたそうな。持病はあってもまだまだ長生きされそうな高齢者だったので、かなり驚きました。

 

さて、このペット、猫ちゃんの処遇について。この猫も高齢だったそうで、やはり引取先が見つからず、また福祉事務所に何度も何度も連絡があり、何とかしろと言われましたが、どうしようもなく、最終的に保健所を頼るしかないことは伝えました。

 

これもかなりきついことを言われましたが、、、最後は近所の方が引き取っていただいたそうです。

 

ということで、ペットを飼ってはいけないわけではないのですが、その処遇に責任を持たないのであれば、どうしても福祉事務所としては手離してもらう指導をせざるを得ません。

元気な間はいいのです、余裕がまだある時は、まぁそんな厳しいことは言わないのですが、やはり人間何があるかわかりません。それゆえに周りの人を巻き込んでしまい、何よりそのペットの環境や命の危険に晒してしまうことや、受給者の今の生活を困窮させてしまうことが問題なのです。

 

生活保護費の内訳

前回の移管を断るシリーズが終わっていませんが、よく目にする「生活保護費が高すぎる、安すぎる」論争について。

東京都23区内で、65歳程度(高齢者世帯)、年金なし、加算なしで考えると、概ね8万円(若干端数はありますので、8万円とします。)、あとは家賃です。

 

月8万円をどう使うか、ここが皆さんにとって生活保護費が高いか、安いかが出てくるんだと思います。もちろん貰えるならもっと貰い、自由に生きたいでしょう。ただ、日本にとって、東京都23区で生きていく最低生活費として定めている金額です。

 

さて、受給者が大体払ってるものとして、何人か聞き取りをしたことがありました。

 

・アパートの管理、共益費

・携帯電話代

・光熱費(水道については減免の範囲内であれば0円になります。)

・食費

・酒、タバコ代

・どこかへ行くための交通費(もっと年齢を重ねてシルバーパスが使えたり、通院交通費を請求していれば変動していきます)

・服代

・家具什器

・交際費

・その他娯楽代

 

あたりでしょうか。ご存知の通り医療費や介護費、住民税などは掛かりません。

 

私的になんですが、受給者の多く、特に男性で煙草を吸わない方は多くありません。大体吸われる方が殆どです。また、お酒も飲む方は多いです。これは恐らくなのですが、これまでの人生で通ってきた仕事なども影響しているのかなぁ、と言う想像をすることがあります。

 

ガテン系や、飲食系、警備系などの仕事をやってきている方はその当時の生活スタイルをあまり変えずに生きているかなと。ずっとそのスタイルを生活保護を受けるから変える、と言うのは難しいのかもしれません。

 

そのほかだとたまに疑問に思うのが、携帯電話代がとにかく高い人たち。料金プランを全く変えず、さらに大して使わない携帯を契約している人たちにはたまにアドバイスをしたりしています。携帯ショップまで着いてはいきませんが、何を言ってくるかの台本を使ったことは度々。こうやって不必要なサービスを勝手に契約させられているんだなぁと。

 

あと、光熱費。家にいる時間が長い、断熱が弱いアパートにいたりすると自然と冷暖房を使い続けるのでしょう。外に出ろ、働けと言う人もいますが、、、。

 

アパートの共益費、管理費ですが。たまに勘違いされるのですが、ここは住宅扶助費として支給はされません。生活扶助から自分で捻出するので、ここが高いと余計な出費になります。たまに、管理費、共益費が高い転居先を持ってきて、ここに住みたい!と言う人たちには、本当に平気ですか??と嗜めることはあります。

そのお金があればもっと色々買えるのななぁ。

 

あとは、交際費娯楽費は、まーみなさんが思っているような出費はしている人は少ないです。そんなにわちゃわちゃと出かけたりはしていないです。

 

いや、たまにいます。いつも訪問しても、毎回出かけている人、なんでだ???となることはあります。

 

あとは食費。まず、自炊がとにかくできない人が多い。なのでコンビニでご飯を買えば必然的に値段は高くなります。毎食コンビニにいけば、そりゃお金は無くなりますよね。

 

私的に思うのは、何よりの自立の一歩は少ない材料とお金でご飯をいかに作るかを知ることじゃないかなぁと。まぁ一人分のご飯作るの高いんですけど、それをうまくやれればかなり生活できるのになぁとは思います。

 

そこを見切り品を買う、とかではなく。見切り品でも一回で食べちゃえばね、高いですからね。あと、無駄なお菓子を買わない。

 

見切り品しか買えないではなく、正価でもいいからそれをうまく使えるコツを知って欲しいです。いつでも学びです。