生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

保護申請時の気持ち その2

さて、晴れて相談係から「今度、あなたのところに新規(保護申請)来るから」と言われ、多少なりともドギマギするものです。

 

この時、地区担当としては今自分が抱えている仕事と、これから来る新規保護申請者のための時間と、両方の仕事量を考えます。その大体は「この忙しいときにか!!」という気持ちになります。

 

まぁ、いつ来ても同じ気持ちになります。よほど自分に余裕、たまたま事件事故が起きていないときは大体この一言です。

 

その後、相談係から色々メモ紙を渡されます。このメモには、相談係と相談者(新規保護申請者)とのやり取りが記載されています。細かいメモですと、これまで何をしてきたか、どういう人なのか、今預貯金はいくらあるかなどなど書かれいています。これだと、それなりに心の準備ができます。預貯金が〇〇万円と書かれていれば、とりあえず今週は保護申請に来ないな、と、その預貯金や最後の給与の支払い日がきになるところです。

 

困るが、今日もう保護申請をした、と言われるときです。こうなると、この日から14日以内に何かしらの決定を出さないといけないので、待ったなしです。3回に1回くらい、こういう当日相談・そのまま申請というものを受けます。

 

別に悪いことはないのです、ただ、前もって分かっていればもう少しこの新規保護申請者のために時間を割けるのに、準備ができるのに、ということはあります。

なので、当日いきなり来て、保護申請となると、地区担当員としての優先順位は少し下がります。いきなり新規申請者に力を100%使えないからです。

 

ここを勘違いされることがあります。「申請の数日後にやっと居宅訪問に来た」「話を聞いてもらえた」などとクレームを言われることがありますが、本当、地区担当員としては1週間くらい全てスケジュールを埋めてしまっている人や、遠い地方への訪問を入れてしまっている人もいます。体は1つしかないので、その予定をすべてずらして新規保護申請者のために使う、ということが本当に難しいことがあります。

 

まぁ、こうならないようにある程度スケジュールに余裕を持って行動するよう普段から注意しますが、なかなかそうもいかないのがこの世界です。それはもう、仕方ないことなのです。

 

とっても忙しいときに新規保護申請者が来ると、その瞬間だけ代わりの地区担当員が対応することはあります。私も、過去に先輩が新規申請を4つ同時に受けていて、更にもう1人追加で新規申請を受けてしまい、その2つを代わりに対応したことはあります。それも、たまたま私に余力があったからなので、運が良かっただけです。

 

冷たい福祉事務所、係だと、「担当地区に来たのは全て、その受け持つ地区担当員が対応する」という鉄の掟みたいなのがあります。そんな掟、破ってとっとと対応しろよと思うのですが、やらないところはあります。だから職員が潰れていくんじゃないかなぁと思ったりもします。

 

話を戻します。

 

なので、なるべく予告してきてくれるととってもありがたい。3日後に来るから、となればとりあえずその時の顔つなぎ、その翌日・翌々日ぐらいの居宅訪問のスケジュール位なんとかできます。これはもう、こちらの都合なので、その間新規申請者は今の手持ちのお金で頑張ってもらうしかありません。

 

面倒だなーという気持ちより、どうやってスケジュールをやりくりしよう、この気持ちの方がこの時は強いです。いや、保護開始のための様々な作業も面倒なのですが、何よりまず、この新規保護申請者のことを限られた時間で把握する必要があるので、何としても時間を作りたい、その焦りは出てきます。