生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

世間一般でいわれる生保あるある その3

○生保受給者なのにブランド物持っている。けしからん。

 

これもたまに言われます。まず、ブランド物を買ってはいけないという決まりはありません。また、所持してはいけないということもありません。非常に難しいのですが、おおよそブランド物程度であれば資産として見なさないというところでしょうか。

 

生保保護法自体、はっきり言ってかなり前時代的な作りをしています。未だに資産保有内容に、掛け軸、ゴルフ会員権、金の延棒、絵画などを聞き取ることがあります。

 

21世紀、令和の時代に金の延棒って、、、、、、若い職員だと何のことか分からないようです。私は、某海賊王を目指す漫画で出てくる財宝みたいなもんだよと、指導したりします。

 

そのほか、結婚指輪がブランド物だとそれを売るよう指導する人もいますが、私的にそこまですべきかなぁという印象があります。売り払ってしまうともう手に入らない思い出の品、そこまで指導すべき、ではないかなと(あくまで私見です。その結婚指輪が数百万円の価値があれば、それを足しにすべきではあります。)

 

ブランド物も、正直言えば質に入れたりすれば1ヶ月分の生活費になったりするものもあります。まぁ、正直そのブランド物をどこで売りさばくかで値段も変わってくるから、あまり指導の意味を持つかは微妙です。

 

今一度書いておきますが、福祉事務所のCWは一般の公務員と一緒です。世間を知らない人間もいるので、「え?フラン〇ミューラーってなんですか?Gショックとどっちが高いんですか?」位の認識です。ファッションブランドでも、まぁ、一般常識程度の知識しかありません。なので、高価なもの=誰もが知っている、というわけではありません。

 

なお、昔どこかの自宅に数百万円はするだろうエレキギターを数本所有している元ギタリストの家に行きました。一瞬にして、売れば誰もが喉から手が出るぐらい欲しがるヴィンテージ物でしたが、歴代のCWは誰も売却指導をしてこなかったようです。

 

私も迷いましたが、、、、、、見なかったことにしました。音楽家にとっての商売道具なので、これを売り払ってしまうと自立の目度を断ち切ってしまう可能性があったからです(ただ、当時で既に60歳後半の方だったので、やっぱり売るべきだったかと、今でもふと思うところはあります。まぁ、結局数年後、アルコールが原因で亡くなってしまったのですが。)あのギターたち、どこへ行ってしまったのだろう・・・。

 

なお、生活保護費を貯めてブランド物を買うことはNGではありません。まぁ、それを買うためにどれだけ節約してきたかにもよりますが、自分でほしくて買ったのなら、服や靴と一緒かなぁという程度です。けしからんという感覚も分かるのですが、ブランド物は確かに手入れをすれば長持ちするので、好き好きかなぁと。実際、保護受給者でも昔手に入れたであろう〇イ ヴィト〇のバッグを持っている方もいます。女性だし、持っていることで何かモチベーションになるなら、そこまでとやかくは言いません(どうせ売る時も足元見られるのがブランド物ですので)。