生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

世間一般でいわれる生保あるある その4

○昼間っから受給者と思われる者が酒ばかり飲んでいる。公園でたむろしている、けしからん。

 

別にけしからんが言いたい訳じゃないのですが、収まりが良いので使っているだけです。

 

さて、この昼間から酒を飲んで仲間と公園でたむろしている。これは、、、、、、非常に認めたくないのですが、それなりにご連絡をいただくお話です。特に都会にある福祉事務所、その自治体の中心となるような地域では時折このような連絡を受けます。いわゆる繁華街と言われる街には、盛り上がっている場所もあれば場末感ある場所もあります。そのようなところでは、何となくホームレス、元ホームレスな方々が集まります。

 

ホームレスの方々が全て生活保護を受けている訳ではありません。むしろ、ホームレスの方々は日銭を自分で稼いで、空の下で生活をしているので、受給者でない可能性があります。

 

しかし、ホームレスの方々が何かしらの形で保護を受けて、アパートなどに転居することは大いにあります。その元ホームレスの方々が、繁華街のホームレスの方々と一緒になってお酒を飲む、これはあり得ます。

 

この元ホームレスの方に、普段どこに行くのか、お友達はいるのかと聞くと、繁華街に沢山いる、結構な頻度で会うという回答を受けます。まぁ、大小様々に苦楽を共にしてきた仲間なら、交流もあるのかなと。

 

さて、ホームレスの方々が無料低額宿泊所簡易宿泊所に身を寄せて生活をしていると、たまにこっそり逃げてしまう方がいます。集団生活ができなくなってしまったのか、はたまた自由を求めたのか、いなくなることで失踪廃止をすることがあります。ある時期から姿が見えない、連絡も取れない場合は当該自治体で保護を受ける要件がなくなるため、一定期間後に保護廃止手続きをします。

 

しかし、その数週間、ある公園で倒れた者が救急車で運ばれ、その者が医療費を払えず困窮していると病院から連絡があります。どれどれ、どんな者だ?と確認すると、、、この間失踪廃止した受給者だったりします。

 

つまり、保護廃止→自由になる→公園で仲間と飲み明かす→急変→救急車搬送→また保護 というループが発生します。この公演を担当するCWはずだとこの手続きを踏み、毎回のように公園で飲まないこと等指導します。

 

全然聞きませんが。

 

なぜ、もっと遠くの公園に行かないのか、なぜ同じ場所で同じように倒れるのか、何ならなぜ保護を受けているときにきちんと体を治さないのか、言いたいことは沢山ありますが、また来たらお客さんなので保護の開始手続きをします。

 

よくこういう方達を、病院で縛り上げておけ、閉じ込めろ等仰る方もいますが、そんなに病院も手軽に身体拘束したり、長期入院できるものでもなく、また自由が好きな方は病院からもこっそり抜け出します。凄い気力だなと感心します。楽しいんでしょうね、なんだかんだ言って。

 

と、こんな流れでなかなか昼間から公園でお酒を止めさせること、非常に難しいです。