生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

水際作戦を考える その2

既存の制度を紹介して活用してもらう、これは至極当たり前なことであります。だって使えるんだもん、もしみんなが「そんなもん知らん!生活保護受ける!」となれば、だーーーーれも、お金を無くして申請をしてしまいます。

 

そうすれば、数多の制度が蔑ろになり、あっという間に日本は生活保護を受ける人だらけになります。これまでの経済的危機を鑑み、反省し、先人たちの知恵と予算を使った制度、組織、誰も使わず単に国から支給される保護費にのみに頼る。。。うーん、それはどうなんだろうか。

 

勿論、問題なのはたくさんの制度がわかりづらく、誰が一体対象なのかがよく見えないところ。また、時間がかかったりするところです。ここは改善をしなきゃいけないところではあります。

 

しかし、であれば、先にどんどん相談して、数多たる他制度の活用を考えるべきです。一人でなんともならなきゃ、誰かを頼る、この国の人たちに最も欠けてしまっている考えです。

 

生活保護を受けにきてしまう人は、何故もっと早く相談しなかったのか!そうすれば助かったのに、まだ受けなくても大丈夫な位置にいたのに、何故今来た、こんな人達は多いです。

 

もっと早く貸付金を借りていれば、生活再建の就職が見つかった。

もっと早く転居していれば、その準備をすれば、転居費用を助成してもらえて安い家賃のところへ行けた。

もっと早く高額療養費の制度を使えば、何十万も漫然た医療費を支払わなかった。

もっと早く障害年金の受け方を聞いていれば、辞めず休みながら仕事ができた、沢山あります。

 

全て、手遅れな場合が多い。

 

だから、相談しに来てほしい。これは福祉事務所含め福祉に携わるすべての職員が思っています。

 

これを水際作戦とは呼びません。多分多くの方は、まだやれるよ!この世界に来るのは早いよ!と言われてしまうのが、水際作戦と思ってしまうのでしょう。

 

だって、生活保護を受けに来たからです。それを、まだだよ!と言われれば、誰だってムカッときます。そして、その時の相談員が少し軽口を叩いてしまう、少し強めなことを言ってしまえば、それは非難された、否定されたと思って当たり前です。

 

だって、困窮しているからです。困っているからです。だから、福祉事務所の職員も少し態度は改めないといけない。

 

ただ、きちんと親身になって話を聞いてくれる人はいます。

ただ、お願いもあります。我々福祉事務所の職員も人間です。少しでも相談に来る方の情報が欲しいのです。

 

どんな方なのか、どんな家に住んでいて、今どんな暮らしぶりなのか。お薬や免許証、株式、車、持っているか。

 

別に持ってはいけないとは言わない。ただ、現行法ではどうしても先に活用してほしいものがあれば、それを使ってほしいのです。

 

そんなことを教えて欲しいのです。こちらも身構えるのです。それは、国民の血税を使って、お金を出すからです。大切に使わないといけないのです。

 

続きます。