生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

保護費を使い切った受給者の対応 その2

さて、実際福祉事務所のケースワーカーは、このように月中で保護費を使い切った受給者に対してどういった対応をしているか。

 

まず、きちんと何に使ってしまったのかを聞きます。単にルーズに保護費を使ってしまったのか、不可抗力だったのか、などなど。

そして、再発防止策を検討していきます。

ここまでは大体同じ対応かと思います。

 

では次から具体的な支援策。

正直なところ、ここからは個々の福祉事務所で対応は全く違います。何がスタンダードかも分かりません。内容によっては、受給者に対して甘すぎる、厳しすぎるという意見はありますが。

 

まず、保護費は最低生活を営むために支給される税金です。それをどんな理由があれ使い切ってしまった以上、追加で余分に保護費が支給されることは原則ありません。ここは大事な点です。仮に余分に支給されれば最低生活を上回る生活費等を使うことになります。

  

取りうる手段として、例えば通院交通費の請求をしていないない、未支給の一時扶助の支給を早めるです。自分で立て替えている形になっているものがあれば、なるべく短期間に随時で支給する。通常、保護費は毎月1回、月初に一時扶助含めまとめて支給されますが、制度としては月中に随時払い、特例払いの制度がありますので、支給して現金を確保する手段です。

僅かではありますが、タクシーなどを使って通院をしていればそれなりの額になりますので、これでしのいでもらうという手段です。

 

次に、福祉事務所にある食料を支給して食いつなぐ。一番多いパターンかと思います。福祉事務所には一定量、保護申請をしていない市民のために緊急的に食料を渡す制度はあります。勿論、社会福祉協議会のような団体の食糧支援の方が遥かに量も質もいいので、一般の方が福祉事務所で支給を受けることはあまりありません。

 

ただ、食料と言っても乾パン、クラッカーのような非常食だけです。中には賞味期限ぎりぎりのカップ麺などもあったりしますが、これも毎回あるものではないのです。

たまたま食料があったというだけで、「困ったら福祉事務所からもらえばいいや」と考える受給者には厳しく伝えます。


あ、そういえば昔、賞味期限ぎりぎりのパックご飯を支給したことがありました。しかし、受給者から「おかずはないんですか??」と聞かれ、その瞬間に物凄いイラっとしたことがありました。

いやいやあなた、今の立場分かってますか?とこの時は言い返してしまいました。若かったなぁと思いますが。

 

ただこの食糧支援も、例えば持病(糖尿病とか高血圧とか痛風とか)を持っている方に対してやるべきか迷います。非常食は短期間で高カロリーを得られるものばかりなので、体に本当に良いのか、食事制限のかかっている受給者に渡して体調を悪くされるのも嫌だなぁと思ったりします。

 

長くなるのでまだ続きます。