生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

生活保護と介護サービス その3

介護サービスを導入する時に一番ありがたい状況は、やはり入院中の調整です。入院していてADLが分かりやすい場合、そして退院調整時期になってサービスを入れるための相談をする時が一番やりやすいです。

 

これは関係する人たちがみんなして、サービスの必要性を認識してくれるからです。勿論最初はやや重装備なサービスの組み方をする場合もありますが、不要になれば少なくしていく調整をすればいいだけなので、やりやすいです。

 

この時、ケースワーカーでも知識があると、包括支援センターの職員さんと一緒に入院先に行ってもらう調整やら、知っているケアマネさんに声をかけて一緒に来てもらうなどができます。

勿論、病院がケアマネを手配することもあります。その時の退院前カンファレンスで顔合わせもできるので、我々福祉事務所としてはやりやすいです。

 

カンファレンスの時、かなり大事になるのはその受給者本人が今のADL、今後の環境変化について理解しているかです。なかなか入院中は、体調が悪いところから良くなっていくので、「あ、元通りの生活に戻れる!やったね!」と考えがちです。

若い頃はそうであっても、歳を取ってしまうと回復が遅かったりできなかったりするところは多いです。特に入院は環境が整っている、なにせご飯は出てくる、ベッドはある、冷暖房だってある、なんでもある状態です。

 

当たり前なのですが家に帰ればそれらは同じように自分で用意します。そして、体調がまだまだ本調子でない中、元のリズムには戻るのにまだまだ時間が掛かります。

 

これが結構、受給者の精神的ダメージにつながります。

 

そして、またこれが難しいのですが、折角入れた介護サービスを拒否してしまう方が一定数います。難しいですね、周りの人が良かれと思って、必要と思って組んだのに、それをいらないと拒否する。

 

そしてまた生活が立ち行かなくなる、薬が飲めない、通院できない、搬送されて入院する、これは多くありその度にケースワーカーに難題として降ってきます。