生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

困難ケースとCW その1

困難ケース、いつしも誰しもが対応をどうしたらいいか悩んでしまう受給者は少なからずいます。あくまで一般論として、困難ケースと言われる受給者はどんな人たちかを考えていきます。

 

よく、引継ぎなどで「この世帯は困難ケースだから、対応ができないのでよろしく」という前任ケースワーカーがいます。突然引き継ぎを受けた際に、嫌だなぁどうしようかなぁと躊躇してしまい、ついつい訪問を後回しにしてしまったりします。

すると突然ある日、福祉事務所にいきなり来所してきて「今の担当を出せ!」と福祉事務所中に聞こえるくらい大きい声で怒鳴ってくる。

慌てふためいて担当が出ると、そこから1時間ひたすら怒鳴られる。

 

なんてことがあります。いや、そんなに沢山起きても困るんですが、なぜか毎年起こる。

 

私も過去、この経験はあります。やはり同じように前任からこのような引き継ぎをされ、気持ちが萎えてしまい、訪問したくないなぁと思っていたところ、何かの機会に所内から一斉に通知を出すことがあり、その時に初めて封書を送付したのがきっかけでした。その人は、全く会ったことのないケースワーカーから封書が届くなんてあり得ない、と怒って来所されました。

 

別に理由なんて何でもいいのです。相手にとって、顔を見たことのないケースワーカーから封書が届いたことが気に食わなかった、それだけです。確かに見方としては、「そんなことで怒るなんてあり得ない、ケースワークを萎縮させる、そんな暇があれば、、、、」などと思う方もいるでしょう。

 

しかし、この受給者は本当に困難ケースでしょうか?引き継ぎ訪問の時にきちんと挨拶していれば、4月の早い時期に訪問していれば、何かしらのきっかけを作って先に接触しておけば、怒鳴られることはなかったのです。

 

単に、困難ケースだから、という言葉の印象が先行してしまった、というのがミスでした。

 

勿論、これは一例です。本当にどうにもならない、生活保護制度を逆手に取っている受給者も、それがどんな理由であっても、対応が難しい方はいます。

 

ただ、安易に困難ケース、という言葉を使うのは控えた方が良いと考えています。また、前任ケースワーカーがミスしたことで、困難ケース化させてしまうこともあります。この場合も少し時間を使って訪問してみる、何か困っていることはないか、無ければあった時に連絡して欲しいという一言を残して置くことも、ケースワークには必要なことです。