生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

第一発見者について

公務員の仕事をしている中で、これほど実務で消防や救急、警察、葬祭会社と関わりを持つ仕事もないんじゃないか?といつも思います。

 

さて、以前に高齢者の自宅での死亡を書きましたが、今回はケースワーカーをやっていると直面する「ご遺体の第一発見者」と葬祭執行までの話。

まず、第一発見者についてですが、ケースワーカーだと、頻繁に出会してしまう方もいれば、数年間一度もないこともあります。私も過去に3回だけでした、あとは誰かが発見したのを連絡受けたことくらいです。

 

あ、たまたま居宅訪問した際に応答がなく、後日、亡くなっていたことを知るとかは結構あります。福祉事務所にすぐ連絡来るのは、地区担当員がその家に訪問した際に残したメモなどを警察やらが見つかるからなんですね。

 

さて、まず第一発見者になるときというのがなぜ起きるのか、なのですが。

一般的なご遺体は家の中にあります。凄く当然なことを言っていますが、ここが大事なのです。ご遺体は、家に上がらないと見つからないはずなのです。

 

じゃあなぜ、ケースワーカーが第一発見者になってしまうことがあるのか。

 

正解は、たまたま扉を開けてしまった、窓を開けてしまった、が一つです。ここから先は、個別ごとに違います。なので、福祉事務所の職員がいつもやっていることでは決してありません。そこは勘違いされないように。

 

ケースワーカーをしていると、たまに耳の遠い受給者に当たったり、毎回毎回、勝手に入ってこいという受給者に当たったりします。特に前者の場合、扉を開けて家の中に入って、いますかーーーーーー!?と確認します。これはそれなりに起こり得ます。だって相手の方、テレビずっと見てて、こちらに気づかないことなんてザラにあります。

 

さて、これをいつもの調子でやってしまい、ガチャっと扉を開けると、廊下で倒れている受給者を発見する、布団の上に仰向けになっているのを発見する、どう考えても手の位置がおかしい寝方をしている体を見つける、なんてことがあります。

 

この瞬間、あぁ、やってしまったという気持ちになります。悲しいとか動揺ではなく、いやこれは私がおかしいのかもしれませんが。

 

また、窓を開けて部屋の中を覗くと、同じような状況を見つけてしまったり、なんてことがあります。

 

私の同僚は、新聞受けの小さい窓を開けると、開けた先にゴロンとが遺体が転がっていたなどの話もあります。意外にも冷静に対応ができるのですが、なかなかこの仕事をしていても、遺体を発見することは数年に1回あるかないかです。

 

 

 

 

ケースワーカーの向き不向き その3

たまーに、いや、それなりにいるのが、生活保護受給者に対して高圧的な態度を取ってしまう職員がいます。生活保護業務というのが、市役所業務でもあまり例のない、対人援助かつ直接に保護費(金銭)を支給する仕事であり、その対象者と密接なやり取りを行う場面が多くあります。

 

生活保護制度は基本、申請主義なため、受給者から何かしらのアクションを持ってその保護費の支給を決定していく場面も多いです。そうすると、受給者としては必然的に担当ケースワーカーと話をしたりする機会が多く生じます。

 

また、過去にも記載しているとおりですが、福祉事務所への勤務は基本人事異動で行われます。多かれ少なかれ、希望した職場でないこともありますので、その職員のモチベーションの維持なども難しい場合があります。中には生活保護受給者から、何となくわがままに聞こえるような質問(要求)もあったりしますので、そういう時にどうしても寄り添った対応ができない職員も出てきます。

 

市役所に務める職員がいつも、どんな時もニコニコと市民の要求に応えるべきとは全く思いません。行政サービスと言いながらも、当然こちらも人間なので、相手からの話ぶりや言い方なのでムッとすることはあります。

 

勿論、職員も色々な者がいます。穏やかな人もいれば短気な人もいます。言い訳になってしまいますが、今日体調の悪い職員もいるし、ペットが亡くなって悲しみのどん底にいる場合もあります。

 

まぁ、窓口に来る市民にとってはそんなことはどうでもいいのですが、100%のパフォーマンスで対応できない場合もあります。これはコンビニの店員さんでも、どこかの大企業の社長さんでも同じかと思います。言いたいことは、市役所職員だから、行政サービスだから、税金で食っているのだから、大人しく市民の言うことを聞け、ということはちょっと違うかなぁと言う視点です。

 

さて、そんな多少の職員の養護をしつつ、どうしても養護をしきれない職員もいます。どんなに説明をしても、高圧的な態度を取ってしまうケースワーカーはいます。これは否定をしません。

 

過去に部下に対して、「君はどうしてそんなに受給者に対して厳しい物言いをするのか?相手も辛いし、自分も辛くないか?」と質問をしたことがあります。しかしその部下は「これが自分の話し方で、スタイルです。受給者だから、ということはありません。」と言われてしまったことはあります。

 

要は、本人としては当たり前の対応をしているという気持ちなのです。うーん、分からんでもないが、どうしても気弱な受給者からはクレームや、担当を替えてほしいほしいという話も出てきてしまいます。この職員はほかの職場でも同じように、いわゆる「塩対応」なところがあり、市民との窓口対応をあまり得意とせず、今は市民と直接関わらない職場に配置されています。

 

また、明らかに攻撃的な態度を取る職員もいます。これも聞いてみたのですが、この者は全く生活保護制度に理解・納得が持てず、生活保護=無駄遣い、と考える職員でした。そういう職員を何故配置したのか、と人事部に言いたいところなのですが・・・まぁ、配置しないと分からないこともあるので、本当に職員にとっても受給者にとっても運がなかったというところでしょうか。

 

その職員は結局、1年で配置換えで別の経理部門へ異動していただきました。

 

大きい母体になると、どうしても生活保護業務に馴染めない職員は出てきます。みんながみんなオールマイティーに対応できる職員ではありません。また、国では「生活保護業務には福祉大学を出ている専門職を充てるべき」という話もしていますが、福祉職であっても生活保護業務に馴染めるかは、未知です。

 

時折、福祉職でも「私は身障専門でやりたかった。受給者対応はしたくない。」という中堅職員はいます。逆に、一般職であっても、かなり慣れてしまい、10年選手になる者もいます。

 

いずれにせよ、受給者対応は非常に難しい(精神的に)場面も多く、どうしても職員の向き不向きに左右されてしまう面は大きいです。

ケースワーカーの向き不向き その2

一回でも福祉事務所に来てほしいなぁと思う職員は、自分が結構優秀だなぁと思っている職員ですかね。

 

まーーーーー語弊があるかも知れませんが、その自治体によっては、かなり福祉事務所の人員配置の考え方がいい加減なところがあります。

 

これ、採用とか異動を考えている人がそもそも生活保護業務を理解していない可能性は高いです。

 

これまでもたくさん書いてきていますが、生活保護業務はあまりにも多種多様、多岐に渡ります。また、究極の対人援助業務でもあります。例えば身体障害を抱える方に対して、その然るべき部署がサービスの給付申請、決定を行ったりしますが、その職員は介護保険の仕事やら引っ越しの話やらはしません。

 

生活保護業務は、その者に対する支援内容ほとんどに関与するため、線引きが難しい仕事になります。なので、何か受給者の支援内容を決める時、大体どの支援検討会議などに呼ばれたりします。

 

たまに起きるのが、事務作業は得意、何かを考えたりするのは得意だけどそれが机上の空論にしかなってない仕事をする職員が福祉事務所に来ると、そのギャップに悩むことになります。想定していることが一瞬にして覆ったり、自分でこう思う、これが正しいと思うことが相手にとって全く通用しないことがあったりします。

 

気をつけなきゃいけないのが、受給者といえども人なので、自分の考えを押し付けたりしてはいけないことです。こうした方がいい、これが正しいなんて考えは、それなりに受給者にとって有難迷惑なこともあります。

 

まぁ、それくらいの熱意はなきゃいけないのかもしれませんが、いわゆるベテランケースワーカーは、この辺り結構いい加減な事があります。

 

できるものならやってみればいい、というレベルですね。かっちりしていないところ、ちょっと周りから見ると、説得の仕方が足りないんじゃないか?というレベルの方は結構います。でも、それがいい塩梅になって、受給者が動いたりすることもあるのでなかなかこの力加減というのが難しいところですね。

 

かく言う私も、福祉事務所に最初に来た時はなかなか受給者に対しての説得などに苦しんだ覚えがあります。その中で先輩から、やってダメなら次考えてみればいい、決めるのは相手で、その決定をこちらから受給者に押し付けてはいけないと言う言葉をもらい、そこから、トライしてダメならまた頑張りましょうと言う方針になれました。

 

やってみてダメなら次を考える、その考えは今でもきちんと自分の仕事のやり方につながっています。

ケースワーカーの向き不向き その1

さて、新年になってそろそろ異動という言葉がちらついてきている時期です。私の職場でも、世の中をあまり理解していない職員たちがあーだこーだと希望(願望)を語ってきます。非常に痒い話も聞いているので、やれやれその希望が叶うといいねと言いつつ、世の中そーーーーーーんなに甘いもんじゃないんだなぁと思うこともしばしば。

 

ブログでは何個か、ケースワーカーに向いている向いていない人というのを書いてきました。福祉職でも事務職でも、誰かしらどこかの機会で異動になる可能性がある福祉事務所。査察指導官と言う立場なので、過去のケースワーカーの体験も踏まえ、公務員として、どんな人が来るべきか、と言うのを数回に分けて書いていこうと思います。

 

まず、こんな人が向いているということを。そして、悪い事は言わない、早い段階でケースワーカーを降りた方がいいという人を挙げていきます。不思議なもので、ケースワーカーほどその特性が出る職場も珍しいです。これは、かなり自由度の高い仕事ゆえに、意外な人がハマり、意外な人が早期に病んでしまう職場なのです。

 

1 世の中の仕組みを理解していない人

もう、これに尽きます。大体最初の職場や最初の異動だと、20代後半あたりの子たちが多いますが、まさにこの世の中の仕組みを理解していないと、ケースワーカー業務はかなり困難になります。何故なら相手は0歳から100歳くらいまでの間の多種多様な受給者です。流石に人生経験という、越えられない時間の壁は分厚いです。

 

別に知らなくてもやらなくはないのですが、人間が一年か生きている時に何が起きるか、行政的イベントが起きるかを知っていると、かなり支援がやりやすくなります。私は最初、高齢者の年金支給が偶数月に行われることを知りませんでした。その他、市の健康診断がどういうものかや、バスの無料定期の販売時期などを知らなかったので、最初、何を説明すればいいのか結構苦しみました。

 

知らないと、相手から、このケースワーカーは大丈夫か??と若干不安がられます。知らなきゃ覚えれ場合だけなのですが、横断的にイベントごとを理解できるので、これほど荒療治な職場もありません。

 

 

ケースワーカーと心の病 その4

次に考えられるのが

 

3.これまで見たことも聞いたこともないパーソナリティーとの対話

 

難しく書きましたが、要は自分が今まで接してきていないような人達と会って話して、何かを頼んで何かを指導して、ということが辛いということはあります。

 

人間、ある程度自分の得手不得手のパーソナリティ話というのはあると思います。高圧的なことを言う人が苦手、ネガティブなことを言う人が苦手、人の話を聞かない人が苦手などなど。

前述の通り、ケースワーカーは自分の地区担当の受給者とかなりの頻度で対面し、また電話をし、訪問をし、時にはかなりセンシティブな内容のことも聞いたり考えたりする仕事です。人間相手で、しかも継続性のある支援なので、これはなかなかしんどいものがあります。

 

例えば戸籍住民課に住民票を取りに来た人と何かしらトラブルがあっても、大体はその日限りで終わるはずです。勿論、その時のトラブルが長引くことはありますが、それが5年も10年も続くことは稀です。

 

しかし生活保護の場合は受給者が、保護を継続する限り、福祉事務所との繋がりが続きます。この中で、どんなケースワーカーも、一度や二度ぐらい、ミスをすることがあります。

 

ただ、こちらからしたら数十人の受給者のうちの1人に対してのミスであっても、受給者側からしたらとんでもないショックで、行政に対する不平不満に繋がることがそれなりにあります。そこから福祉事務所批判、ケースワーカー批判に始まり、ありとあらゆることに対して反論したりする、受給していながらも福祉事務所を敵視してしまう方はいらっしゃいます。

 

勿論、ミス一つ、そんな怒らないでもいいじゃないかと言う気持ちになることもあります。それが取り返しのつくこと、例えばちょっと名前を言い間違えた、訪問の時間が少し遅れた、指導の仕方が少しきつかった、こちらからしたら些細なことかもしれませんが、これが禍根になって今日まで対立している受給者は、いらっしゃいます。

 

しかしそんな対立している受給者に対しても、地区担当員をどうしてもつけなきゃいけません。市役所の、市民の最前線に立つ公務員として、面倒な受給者だから対応しない、は成り立ちません。

 

昨今、このように福祉事務所に対して対立してしまう受給者が少しずつ増えている、行政批判が強い受給者が増えている傾向にはあります。ただこれは、福祉事務所としても対応を懇切丁寧にしないといけないと言う教訓にもつながるので、あながち全て間違っているわけでもありません。

 

そのミスをしたときに福祉事務所がどう言う対応をしたか、塩対応したり、説明が不十分であったりすれば、それはやはりこちらにそれなりの落ち度、もう少し丁寧にしておけば防げたものなのです。

 

ただ、やはりその後ずっと対応しなきゃいけない地区担当員にとって、ちょっと精神的に削られることはあります。

こちらの意図が伝わらない、

すぐに怒鳴られる、

暴力的なことを言われる、

猥褻なことを言われる、

長時間面談が続き、無理難題を突きつけられる、無茶苦茶な論調を繰り広げ、対応ができないとすぐ訴訟だ、訴えると脅しにかかる、

 

残念ながらこう言う対応が少なからず福祉事務所では起きています。勿論、査察指導官としてこういったことをしてくる受給者には、限度がある旨伝え、お引き取り願うことはあります。ただ、なかなか全ての事例を把握できているわけではないので、地区担当員、部下から逐一報告を受けられるような姿勢ではいます。

 

一部自治体では、受給者から過酷な要求をされ、ケースワーカーが単身でそれを背負っていたなんて事例が時折ニュースに出ます。非常に悲しいことですが、それが福祉事務所の面談室、相手方の家などで起きてしまっていると、目が届かず、ケースワーカーが背負い込んでしまうこともあり、その防止、メンタルケアが必要になることもあります。

ケースワーカーと心の病 その3

次に考えられる原因は、

 

2.圧倒的な知識不足時に発生する緊急対応へのストレス

 

これもケースワーカーあるあるなのですが、4月の人事異動で福祉事務所は配属になり、地区担当が決まると途端に全ての物事が待ったなしで動き始めます。中には4月1日の午前中、発令式が終わって職場に配置になった途端に新規保護申請が来てしまったりします。

 

この場合、流石に初日から対応はさせませんが、その後の決定前の自宅訪問、保護決定などはいきなりの新人がやります。おそらく、どの福祉事務所でも先輩が隣に付きながら、保護費の計算やら決定処理などをやります。

 

ちなみによその職場では最初の1週間、もしくは1ヶ月、もしくは本採用までの半年間、ほぼお客様待遇なところも少なくはありません。戸籍住民課、市民課みたいなところは「研修中、ご迷惑をおかけします」みたいなプレートをつけ、さながらレジ打ちのアルバイトみたいな示し方をするところも、、、あれは正直、ケースワーカーから見たら、何やってんだ?!と一時期、なんだかなーという目で、同期を見たことをあります。

 

勿論ケースワーカーには研修中なんてありません。担当受給者が問題起こせば配属直後でさえ、大量のクレームを聞いたり、よく分からない主張を聞いたり、外に訪問したりと様々事件が起きます。この時、やはり知識が全くないままで動くので、次どうしたら良いかという準備が自分でできず、周りに聴こうにも周りもバッタバタで聴けない、そんなことで対応が後手に回り、状況が悪化する、、、なんてことは起こってしまいます。

 

よく分からない人からはせっつかれ、よく分からない人に大量に会い、よく分からないことに振り回され、なんてことが日常茶飯事です。慣れてくると、次の一手を自分で考えられる、誰にどのタイミングで聞けば良いのかがわかるので、自分のペースが少しずつ生まれます。

 

また、ケースワーカーのもう一つの大変な作業が経理作業です。保護費の支給、一時扶助の支給、収入申告の処理などなど、結構苦手とするケースワーカーは多いです。これらも厳格なルール、生活保護法に定められたものなので、ミスをしてはいけないものです。たまにニュースや新聞報道で、保護費の過支給が問題になりますが、知識不足、確認不足で起こってしまう問題でもあります。

特に生活保護法はその扶助方法がとても多岐にわたります。下手すると一度もその扶助を支給したことのない項目もあったりします。それくらい幅広く設定されています。最低生活を維持するのと、そこから脱却するための制度なので、使おうとすれば特に就労関係の扶助は多くあります。

 

これをたまに受給者から相談されたりすると、まー分からないことが多いこと。通院交通費みたいなメジャーな項目ではなく、就労自立に関する扶助とかを聞かれると、流石の私も保護手帳を見ながら後輩、部下の指導をしたりします。結構長く福祉事務所で働いていても、初めて支給するという項目はあります。

 

こういった見たことも聞いたこともない扶助を周りに聞くことになるのですが、やはり忙しかったり、中には「そんな扶助はない!!!」と調べもせずに回答してしまう先輩ワーカーもいたりするので、なかなか疑問が解消されないまま、もやもやとしてしまうことはあります。

 

にも関わらず、受給者からは、まだですか?とか知らないんですか?と言われるので、これが結構ストレスになります。

 

 

 

ケースワーカーと心の病 その2

ちょっと前まで、心の病は怠け病だ、甘えだ、根性が足りないなんていう風潮もありました。今だってごく一部の人達は、こういう気持ちを抱いている方もいるでしょう。勿論、全てが全てメンタル疾患というわけでもありません。その職員の適性、適応力、元来からの気質なんかにも大いに左右されます。

 

その中で、ケースワーカーの仕事は前述の通り、対人援助として日々受給者との接点を持ちます。1日に何人、何十人と相手をすることもあり、その全て、いいことばかりではありません。

 

では、ケースワーカーとして、対人援助の難しさはどこにあるかを考えてみます。

 

1.突発的な来所、電話、要求が多い

 

社会人として、まずノンアポで誰かに会いに行く、誰かに話を聞く、要求をするということは考えにくいです。それは相手の時間を割いてもらう、準備をしてもらう、そんな当たり前な配慮をする必要があるからです。

 

昨今、LINEなんかでは既読無視、スルーなんてことも問題になりますが、あれだって読む側からとしたら返答を考えてるんだから、そんな急かすなよと個人的には思います。あまりにネットワークが進みすぎて、考える暇さえ与えない風潮はあります。余裕を持てばいいのにと、思います。

 

さて、ケースワーカーにとって大変なのは、このノンアポでの来所、電話などの応対後とにかく多いことです。受給者にとっては1人の担当ケースワーカーなのですが、こちらとしては100人のうちの1人なので、例えば10人が同時に同じように来所してきたら、1人しかいないケースワーカーはその10人全員を相手にしないといけません。

 

まさか、そんないきなり来ないでしょ?と思うかもしれませんが、実際には福祉事務所の近くに住む受給者ほど、コンビニ感覚でふらっと来所します。福祉事務所の近くの地区担当員は日中、殆ど席にいません。電話もせず、電話をしても「今から行くから」と、用件も言わず訪ねてきます。

 

ケースワーカー時代、私は福祉事務所から最も遠い地区を担当していたため突発的な来所は比較的少なかったのですが、それでも、近くに寄ったからついでに来た、なんて理由でふらっと来所する方は多かったです。

 

また、ケースワーカーの訪問を嫌うため、あえて自分から来所する受給者もいます。これは少し気をつけないといけないのですが、所内で会えているから生活が安定していると、その受給者の家に訪問をしないケースワーカーもいますが、これは危ないです。実際の暮らしぶりが、来所では掴めませんので、しっかり訪問をすることをお勧めします。

 

電話も同じです。1人5分で終われば良いのですが、中には30分長々と話す人もいます。終わってみれば別の人への折り返し連絡をするようメモがたくさん積まれたりしています。

 

この突発的な来所等を苦手とするケースワーカーはいます。自分のスケジュールが崩れる、やりたいことが来所の対応で埋まってしまう、先約があるのにそちらを反故にしてしまうことがある等、なかなか思い通りにいかないタイミングがあると、滅入ってしまうことはあります。

 

また、ふらっときておきながら担当ケースワーカーが別の人の対応をしているのを怒り出す方もいます。いやいや、代わりに対応するからと言っても、担当に話を聞いてもらいたいんだ!!と言う人もいます。

 

頼られている、と言う面では良いことかもしれませんが、息つく暇もなく来所、電話の対応をしてしまうとなかなか精神的にも肉体的にも参ってしまうことはあります。

 

また、同僚にも頼ってしまうことも結構つらいです。困った時はお互い様なので、私も色々代わりに対応するのですが、仕掛かり中の話などだとどうしても担当にお願いしないといけないので、それはそれで大変です。