生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

雑感~生活保護CWを考える

これから何度も書くかもしれませんが、ざっと今CW時代を振り返って思うこと。

 

何故、こんなにも貧困に陥ってしまうのか。

本当に事情は様々で、2人とし同じ状況な世帯はありません。

昔、自営業をやっていて年金なんて掛けてなくて、気づけば経営が傾き何とか借金をして立て直そうとしても、借金だけが膨らむだけ。廃業。収入が途絶えた。

就職してみたけどずっと非正規雇用だけで働いてきて、ある時体調を崩してそれから復職できず。国民健康保険にも加入できていないから、病院にも行けない。

昭和の時代からずっと生活保護を受給して生きてきている世帯。子供、孫も同じ状況をたどる。

元来からの身体障害で働くことができない。

発達障害うつ病双極性障害パニック障害統合失調症

 

日本は確かにこういった理由で国の定める最低生活を営めない方に対して、生活保護の制度を設けて健康で文化的な最低限度の生活を営める制度設計を行っています。

勿論、それが人にとっては不十分な金額かもしれず、一方、別の人から見たら贅沢な制度と感じられるかもしれません。

どこで間違えたのか、いや、そもそも間違えなんてなかったのかもしれない。

どこかで立ち止まれたんじゃないか、いや、そもそも立ち止まるきっかけすらなかったのかもしれない。

受給者からの話を聞くたび、「え?なぜそこでそういう決断をしたの?」と思ってしまうこともあります。

我々は現在の窮迫状態を脱出するため、制度適用をしていきます。日々、自立に向けて支援をしていきますが、時折「んー、ここまでしないといけないのか?」と悩むことはあります。