生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

コロナウィルスによって生活保護申請は増えたのか

やっと所用が終わり、いよいよ更新を少しずつ再開しようと思います。

 

コロナウィルスの騒動によって経済がどんどん悪くなっている一方、日経平均株価などはどんどん回復をしているため、非常に乖離のある状態と思います。

その中で、この数か月のうちにどの程度生活保護受給者が増えたか、を考えてみたいと思います。

 

実際、相談件数は非常に多くなりました。前年度より30%以上増えているようで、電話がよく鳴る印象があります。その多くは生活苦、仕事がなくなったので生活ができない、収入が下がったという話です。

 

相談の多くは

・派遣先から雇用期間満了で切られてしまった、仕事がない。

・これまでも受注が少なかったが、コロナショックにより追い打ちを掛けられてしまった。取引がなくなってしまった。

・働いていたリラクゼーションエステにお客が来なくなってしまい、シフトがなくなってしまった。働く場所がない。

・空港関係(この話は本当に気の毒だなと思いました。)で、機材整備の仕事がなくなってしまった。飛行機が飛ばないので人員がいらない。

等、コロナウィルスが原因といえば原因というものもあれば、んー、それ以前の問題では?という内容もあります。

 

実際、十分とは言えないのですが日本でも幾つか緊急事態に掛かる支援策は打ち出していて、これで何とか食いつないでいる企業、自営業、フリーランスの人は多いです。

いきなり生活保護ではなく、まずは各種施策を使って、それでもだめならというスタンスが今の生活保護の実情です(当たり前といえば当たり前なのですが)。

勿論、全ての例に当てはまるわけではありません、何をしても無理な状況もありますのでそういう時は遠慮なく相談してもらえればいいかなと思います。

 

しかし・・・国民感情としてあり得ない受給状況もあります。

一つは、失業保険をもらうまでの間、生活保護を受けたいというケースがありました。

そして、実際失業保険を受けられるようになったので廃止になるかといえば・・・この受給者、一度も申告に来ずそのまま失業保険と生活保護費を満額もらって生活を数か月していたのです。

月30万円ぐらいですかね、失業保険と生活保護費を合わせると。

担当者のミスもあったのですが、実際収入申告に来ないと生活保護費の調整ができず、またコロナウィルスの影響で自宅訪問もあまりできなかった時期なので、まんまと30万円ぐらいで生活をされてしまいました。

こういうことを起こされると、やはり生活保護に対する世間の目は厳しくなってきます。

 

また例年7月に行う課税調査も現在進行形で調査しているものもあります。毎年のように課税調査で該当する受給者を見つけると、本当にこの制度の甘さ、騙したもの勝ちの世界に時折心が折れそうになります。