生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

ケースワーカーの役割 その1

CW業務で辛かったこと、思い返すと色々あるなーとなります。少しずつですが、福祉を志す方が増えてくれたら嬉しいのでざっくばらんに書いて行きたいと思います。

 

すいません、本当に自分の主観なので悪い印象を与えてしまったら申し訳有りません。また、このテーマは不定期にやっていくと思います。

 

大変だなぁと思うことは、分からないまま様々な仕事をやらないといけないところでしょうか。

 

CWって、何か特別な勉強をしてきた人と思われがちですが、全くそんなことはありません。CWは福祉事務所に配属される区市町村職員であって、別に特殊技能を持った人がいるわけではありません。

 

私はいわゆる一般職員です。本来であれば課税課や戸籍住民課、地域振興課のようなところに配属される人間です。そして、福祉事務所のCWは社会福祉士などの有資格者、大学で福祉に関する学問を学んだ者が配属されることが原則です。

 

しかし、自治体の採用人数には制限があります。各福祉事務所に十分な福祉職職員を割り当てるほど潤沢に予算があるわけではなく、一般職員を配置せざるを得ない状況もあります。※一部自治体では原則に基づいて福祉職職員のみをキチンと置いているところもあります。

 

ということで、例えば大学卒業してうきうきと市役所職員になり、「さぁ、これから課税課でビシビシ課税徴収するぞ!!」「地域の活性化を目指すぞ!輝く街にするぞ!」と息巻いていても、いきなり辞令で福祉事務所のCW任務を命ぜられることはかなりあります。市役所職員になったのならどんな辞令も受けなければいけませんが、言われた本人は、目が点になります。

 

よって、福祉の何の知識も持たない、昨日まで大学生だった人間がいきなり福祉事務所の職員に配属され、その日から生活保護受給者とのやり取りを行うのです。CWなんて言葉、全く知らないで配属先に連れていかれると、初日から大勢の人間と接触し、電話を受け、話を聞き、「何も知らないのか、前の担当に代われ。お前じゃ話にならない!!」と言われたりするのです。

 

そりゃ話になりませんよ、こちとら配属1日目の午前中ですもの。そんな態度取れるようならどこの場所でも生きていけますが、新卒の配属1日目の子がやられたら、立ち直れないか物凄い怒るかどちらかです。

 

よく企業での研修が充実しているところでは、現場に出す前にしっかり研修期間を設けるところもあります。また、研修はないけど先輩職員が手取り足取り教えるなんて風景もあります。

 

しかし、福祉事務所ではまず担当がその全てを受け持ちます。先輩が代わりに話を聞くなんてこともあまりしません。先輩自体も自分の担当受給者で手一杯なので、あまり助けてくれないことが多いです。訳の分からず受給者の話を聞き、下手すると配属その日に受給者が亡くなったり、また新たな新規申請があったりします。

 

私の友人の自治体職員は、配属初日の引継ぎ訪問でご遺体を見つけてしまい、そのまま警察の取り調べを受けた者もいます。受給者の状況も一切知らないのに質問され、分からないことを伝えると、「え??貴方仕事してましたか??」と警察に嫌味を言われて流石に落ち込んだりしたそうです。

 

こう考えると、市役所部署でかなりブラックな職場ではあります。研修も受ける前に自分の担当地区、担当受給者で発生した問題は10年経験を積んだベテラン職員と同等に処理を求められます。

 

最近この風潮があまりに宜しくないという流れもあり、多少の担当受給者数の調整(都市部だと100人程度担当しますが、新規採用者は80人程度にするとか。)や、先輩職員の2人体制での業務遂行(最初の3週間くらいは受給者の面談などを一緒にやる。)など、フォロー体制を整える自治体もあります。

 

私もCW時代、配属された新規採用者の面談や訪問を一緒に行き、やり方を実例交えて説明したことがあります。その瞬間大変なのですが、新規採用者がきちんと早く一人前になってくれる方が、後々の自分の負担も減りますのでやりがいはあります。

 

書いていると楽しくなってきたので、適宜書いていきます。