生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

ケースワーカーの役割 その2

通常の市役所職員は最初の1週間は電話も取らず、応接も当然出ず、何しに仕事に来ているか分からず、むしろ来ることが仕事だったりします。しばらくすると職場研修などをしてすこーしずつ、すこーしずつ仕事を学んでいくのが常です。

 

名札なんかも、研修中みたいな印がつけられて、さも私は全然分かりませんみたいな顔でいれば、誰も何も言いません。下手するとそれが入庁して半年そのままなんてこともあります。

 

しかし福祉事務所のCWには、研修中なんて印はありません。配属されれば1日目からCWとして働く必要があります。全くわからない会話をされ、自分より遥かに年上の人間の話を聞き、これまで一度と接したことのない性質の人間と接し、理解をしていく必要があります。

 

ある時は保護費が間違っていると言われ、ある時は○○をしたいが金は出るのか?と聞かれ、またある時は別の機関から、○△して欲しいなんて言われ、訳の分からないまま時が過ぎていきます。入庁してすぐは、全く何をしているの自分でも理解できない状況になります。

 

勿論、研修はあります。しかし、研修で習う前から沢山の事件が起きてしまうため、研修受ける頃には復習になってしまうこともあります。そして、研修では業務の半分もカバーされません、CWの仕事は学術的なことより、実践でしか学べないことが多いです。

 

それゆえ、配属当初にキャパシティーオーバーしてしまう職員は非常に多いです。メモが取れない、話が分からない、こんなことで時間が終わることも沢山あります。

 

明らかに他の場所とCWの仕事の体感時間は違います。CWの仕事はやるとあっという間に1日が終わります。数週間はそんな状況が進み、理解が追いつかないことも多いです。

 

この時期に相手の言っていることが理解できず、重大な判断をしないといけないのにできないなんてことも発生します。気付けば相手にとってあまりいい結果になっていなかったり、自分が大変な行動をしないといけなかったりする状況になると、その火消しに手がかかり、また時間を割かれるという悪循環が発生します。

 

まず迷ったら周りか査察指導官に聞く。誰もアドバイスはしてくれないけど、聞けば答えてくれるのが福祉事務所なのです。何が違うかといえば、人に教わりに自分から行かないと、周りは、何も言わないからできてるんだろうと判断してしまう風潮が多いです。

 

どの職場でも同じだとは思うのですが、福祉事務所のCWでは特に聞く、積極的に自分のやってることを周りにアピールして、間違ってないかを確認することが必要です。ワーキャー騒いでいると、間違っている時に、それ違うよ!とツッコミを入れやすいのです。

 

恐らく福祉事務所ほど、入庁直後からCWとしての判断を求められる職場はありません。そんな意味で自分の判断力、思考力を鍛える点で非常にやりがいを感じる職場ではあります。