生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

家庭訪問とお部屋の中身

CWの大きな業務として、受給者宅への定期家庭訪問があります。

 

他人の家に行く、しかも家の中まで入るという業務は事務職をしているとほとんどありません。福祉職の方や保健師さんなどはお家の中に入って仕事をすることもありますが、私もCWになるまでは、こんなのが仕事なのか!?と結構戸惑いました。

 

多くのCWは家庭訪問時になにをどうするのか、その具合的な話を聞かずに、単に仕事だからということで行くことが多いです。実際、生活保護手帳などには、受給者の現在抱える問題課題を家庭訪問を通じて発見する、みたいに書いてありますが、さてはて。

 

まず、受給者の家に行くというのは、相手の生活圏、テリトリーに入るということです。一般的に、受給者と福祉事務所で話をするのでは足りないとされています。受給者にとって、家でないと本音が出にくいということでしょう。実際、福祉事務所では一言二言しか話さない受給者が、家庭訪問するとかなり雄弁になる方もいます。やはり福祉事務所はあまり居心地の良いところではないようです。

 

色々なお家があります。きちんと整理整頓されているスッキリした家、全く家財がなくて一体どうやって生活しているんだ??という家、先祖代々の写真がずらっと並んでいる家。

 

ここまでなら、普通に入っていけます。

 

ちょっと抵抗があるのは、タバコの煙が充満しきってて部屋の壁紙も真っ黄色に変色してしまっている部屋。これは部屋の外に出るとしっかり自分に匂いがついてしまうので、結構辛いです。タバコの煙はこんなところにも被害を及ぼします。

当の受給者は、ケースワーカーの訪問時にはタバコは吸わない、、、いや、それなりに吸い始めます。おもむろに吸い始める人もいれば、何も言わずにカチッとライターの火を点ける人も。吸わなきゃ話ができない人もいたりするので、まぁ、どこまで目を瞑るかはその人の判断ですね。

 

たまに思うのが、よくこの部屋で大家さんがOKしてるなぁと。壁紙も変色しきってて、恐らくクリーニング しても元に戻らないだろうなぁと思うことはあります。最近では入居契約時に喫煙者NGのアパートも増えたりしています。

 

私の担当している受給者には、寝タバコでボヤを起こしたという人はいませんでしたが、時折います。カーペットを焦がしてしまったなど、相談を受けて修繕費、住宅維持費かな、は出ないのかなど。

 

んー、自己責任ですなぁという回答になりますが。タバコはなかなか辞められる人はいませんね。