生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

ケースワーカーとテレワーク

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、行政でも職員はテレワークを推進しているところです。

 

しかし、福祉事務所のケースワーカーでは残念ながらテレワークを実施するのはほぼ不可能です。当然ながら受給者に対しての直接支援が基本なため、福祉事務所に来ない限り、受給者と接点を持つことができません。仮に在宅でケースワークを実施するとした時、職員の自宅から受給者と電話でやりとりをするのか、ウェブ会議システムを使ってやりとりをするのか(当然、受給者側にネット環境がないとできませんが)、支給決定を自宅で行うのか、まず物理的な面で不可能な仕事です。

 

そして、受給者の個人情報を大量に取り扱うので、その資料を自宅で見たりすることもできません。仮に全ての資料をPDFなど電子媒体で管理されても、それをサーバに全て格納されて自宅から閲覧できるようにしても、ネットワーク環境の点からリスクがあまりに高すぎます。

 

全体的に、自治体職員が自宅で市民の個人情報を取り扱う業務を実施することを禁止としています。情報漏洩が何より危険なのです。そのため、受給者に関してのあれこれを自宅で作業することはできません。

 

ケースワーカーが仮に自宅でできる作業といえば、、、自己研鑽として何か書物を読んだりですかね。あまりケースワーカーの方で、きちんと学術的な書物を読む方は多くありません。現場での経験が大事、というのもありますが、やはり行き詰まったり見識を深めるのであれば何かしらの書籍を読むことは必要かなと。

 

社会保障制度、貧困に関すること、世界の事例などを読んでおくと、日本の生活保護制度や生活困窮者支援の仕組みなどが理解でき、より広い視野でケースワークに当たることができます。

 

その他、ウェブ研修などはいいかもしれません。最近は多くの研修講座がウェブ開催されています。これまで時間の取れなかったものも、ウェブで場所と時間をあまり選ばず受けることができるで、見識が深まります。

 

特に精神障害者への支援や、虐待事例ケース検討の研修などは東京都が実施していますので、時間を見て視聴してみるといいかもしれません。

 

まだまだコロナウイルスの影響により、受給者への定期訪問などが制限されている自治体もあります。他の職場ではテレワークなどの導入で家にいながら仕事ができる、それをやや羨ましく思う時もありますが、現場でしかできない仕事をやる人がいるからこそ、救われる人もいます。勿論、毎日の出勤なので感染しないように注意しながら日々の仕事に取り組みましょう。