生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

風呂無し物件と生保受給者

巷では若者の風呂無し物件人気が高まっているとかの記事を見ることがあります。風呂無しだと家賃が安く、ほかの費用に当てることができますお得だという、何とも世情を表している風に思えます。

 

生保受給者でも風呂無しアパートを転居先に選ぶ方がいますが、結構ワーカーとしては再考するよう伝えることがあります。一般的に風呂あり物件に比べて安いことはありますが、それ以外のデメリットが大きすぎるからです。

 

まず、銭湯に行くお金が非常に高いという点。世間では銭湯の経営が立ち行かなくなり閉店が相次ぐ地域もあります。生保受給者の場合、基本的に自己判断での転居ができないこと(困難なこと)から、銭湯が閉店すれば入浴の機会が失われることになります。最初はいいや、と思っていても入浴も一つの習慣として生活に取り込むことで自立助長になるとは考えます(この辺り個人差はありますが)。

 

特に就労をする場合は、やはり他者との関係性もあることから不潔な状態での勤務というのは社会人としてNGと考えます。

 

ただ、風呂がなくて就労ができないから転居させろ、は福祉事務所としても許可はできない時間かと思われます。

 

なお、若年層世帯であればシャワーがあればいいとは考えます。高齢者の場合ですとやはり年を取ったり怪我や病気をした際に入浴がしづらくなる、という点が難しいところです。高齢者の場合であれば介護支援を受ければ入浴デイサービスなどの利用も考えられますが、日常で風呂に入らないというのもちょっと辛いという方はいらっしゃいます。

 

また、風呂がないと全体的に手狭な住宅になりがちです。よく、持ってきた賃貸物件の案内を見ると、風呂なしで家賃が生保基準、ただし面積が足りていないという場合もあり、満額住宅扶助が出せないというケースもあったりします。

 

いずれにせよ、単に安いから風呂なし物件を選ぶというものワーカーとして、再考を促すことも必要かと思われます。