生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

大家さんから勧める生活保護の利用

  どの入居者も、決められた期日に必要な家賃を大家さんや不動産管理会社に支払う必要があります。

 しかし時に、支払滞納する入居者に悩まされることもあります。そのままいつしか、支払いがどんどん溜まっていき、いよいよ大家さんらも直接督促を掛けに行くようになります。

 ドアを叩くと中から入居者が

  • 「少し支払いを待ってほしい。来月まとめて払う
  • 「急に物入れになってしまって。分解で支払いたい。
  • 「今は払えない。体調が悪く話ができない。」

と理由を言われてドアが閉まる。

 

 翌月もその翌月も同じやりとりの繰り返しで、一向に解決しない。

 大家さんとして、何か入居者の身の上に起きたのか。それがお金にまつわる困りごとなのか、気になる方もいらっしゃるかと思います。

 

 そんな時、大家さんから「何か生活で困ったことはないか。市役所に行って相談してみたらどうか?」と声を掛けてあげてはどうでしょうか。

 

 実は、大家さんの言葉を受けて生活保護の相談に来る方は少なくありません。

 このご時世、なかなか人様のことまで考える余裕はないかも知れません。 家賃が入らないことで困っているのは、勿論お部屋を課している大家さんです。アパート経営と言う視点から、家賃滞納者に対しては契約条項に基づいて退去勧告を出すこともあると思います。

 しかし、入居者も無い袖は振れないと言わんばかりに、退去費用や見舞金の要求、家賃滞納のまま居座るなどされてしまうと、大家さんも疲弊と大きな出費を被ることになります。

  お金に困っていそうな入居者を見かけたら、それとなく生活保護の話をしてみるのもいいのかもしれません。

 話す内容はそんなに難しくありません。市役所へ行き、とりあえず生活に困っていることを受付に話す。そうすれば福祉系の部署に通され、そこで相談が始まります。

 

 実際、数か月家賃を滞納する方であれば何かしら生活に困窮していると思われます。

 

 福祉事務所の相談員も色々とお話しを伺い、どう生活再建していくべきか、それが生活保護を受けることで解決されるのか、別の手立てがあるのか、親身になって考えていく場所です。

 是非お困りの方がいれば、大家さんと一緒にご来所ください。