生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

入居者の特徴~精神疾患編(ギャンブル依存症)

ギャンブル依存症と支援

アルコール依存症と同じように、受給者でギャンブル依存症に苦しむ方もいらっしゃいます。ギャンブル依存症の難しさはアルコール依存症とまた違ったところにありますが、CW時代に担当した受給者では、以下のような症状でした。

 

  • ギャンブル依存と分かったのは、競馬・競艇・競輪・パチンコスロット等で負け続け、数百万円の借金を作った時。
  • 家賃は滞納、働こうとしてもすぐにパチンコ屋に足が進んでしまう。
  • 賭け事をしていて、勝つと次も勝てると思って注ぎ込む。負けると、何故こんなバカなことをしたのかと悔やむ。しかし、それもまた次行くと忘れてしまう。
  • 負けた分を倍にすれば大丈夫。

ギャンブル依存症も同じく病気なので、適切なケアが必要となります。必要なことは、とにかくギャンブルから身を離すこと。これはアルコール依存症でも同じことで、福祉事務所としては

  • 通院(医師やカウンセラーと話をする)、デイケア
  • GA(AAと同じような話し合いのスペース)通所
  • 作業所等活動の場所への通所
  • 独居生活が難しければ、更生施設やグループホームへの入所
  • 地域活動支援事業所への通所(居場所づくり)

になります。

ギャンブル依存症は、アルコール依存症の抗酒剤のような薬は現在のところありません。また、脳への影響はありますが、ギャンブルが原因の身体的影響はそこまで大きくありません。それゆえ、周囲からの支援を入れにくい、また本人も重大なことと認識しづらいところが難しいです。

 

大家さんとギャンブル依存

 

依存症の怖いところは、やはり生活保護費をすべて一瞬に使い切ってしまうところです。家賃や更新料の支払いをせず、それすら使ってしまうところがあります。極力、住宅代理納付制度を使い、家賃や共益費等を福祉事務所から直接支払う、更新料の請求は本人とともに福祉事務所にも一報を入れ、支給時に立ち会いをお願い、その場で回収するよう心がけましょう。