生活保護ケースワーカー奮闘記

令和時代に福祉事務所のケースワーカーとして働く公務員の皆さん、またその関係組織の方々に関する情報を提供します。

入居者の特徴~高齢者編(死亡時の家財処分)


福祉事務所ケースワーカーの役割 - 生保アパート経営塾の通り、生活保護法では受給者の死亡後に適用される扶助は殆どありません。


時折、入居者が死亡した後、大家さんや不動産会社さんから、「行政で居宅内の家財を処分しろ。特殊清掃をしろ。遺品を回収しろ。」と言った訴えがあります。
この訴えには、残念ながら対応する手立てがありません。
国や都道府県で問題になっているのですが、現行法では支出する要件がないのです。


どうやらその昔、某自治体では生活保護法ではなく独自の予算を設けて、受給者死亡後の家財処分料、居宅清掃料を工面していたようです。
しかし、居宅での死亡はどの高齢者にも起こりえます。他の住民や議会から、「何故、生活保護受給者のみ優遇されるのか。」「何故、税金を使って一般人の私有財産の損失補填をしないとならないのか。」と大きな批判を受けて取り止めたようです。
確かに、生活保護受給者以外にも大勢の方が居宅で亡くなられます。その方々の場合、保証人である親族や遺産相続人が対応しています。


しかし、この制度の名残なのか、今でも受給者死亡後の家財処分、居宅清掃は行政がやってくれるものと考えている大家さんたちは多いです。


生活保護法では、現在のところは受給者死亡後の家財処分、居宅清掃、遺品回収の制度はないことを理解しておいた方が良いと思います。
※あくまで生活保護法の話で、もしかしたら上のように自治体独自の予算で対応している可能性はあります。ダメ元で福祉事務所に確認はしてみてください。


福祉事務所ケースワーカーの役割 - 生保アパート経営塾の通り、生活保護受給者は行政が付いているから安心、という誤った認識は捨て、取りうる手段をしっかり講じておくことが非常に重要です。